ひらかなの読み書きも出来ないうちから
一人で留守番をすることが多かった。
電話が鳴ると恐怖だった。
「はいもしもし どちらさまですか」
「さんぞうちゃん?一人でお留守番?偉いね~
お父さん何時頃に帰るって言ってた?」
「わかりません・・・」
褒められることなど無い私を
よその大人は褒めてくれる。
照れくささと嬉しさでどうしていいか判らなくなる。
”ありがとうございます”という習慣が無かった。
その代わりに”じっとして黙っとく”ことは身についていた。
しかしそんな会話をするうちに
相手の名前を忘れてしまう・・・
もちろん相手は大人だから
私が伝え忘れたとて責めるはずもない。
「さんぞうちゃんは偉いな~どちらさまですか?って
言ってたよ」
電話があったことを知った父。
殴られる。
「この役立たず!!なんで教えないのよ!書いとけって言ったべ!」
後ろで母が「どうしょもないんだ!このヤローは!この前も~~」と
過去の失敗(?)を持ち出してあおる。
10回に1回失敗してしまうと
1回の失敗をいつもそうであるかのように言われ続ける。
絶対に褒めない。
絶対に謝らない。
これがこの夫婦の掟らしい。
自分は何をしても駄目なんだというレッテルが
自分の中に貼られる訳だ。