母は父とのやりとりで
いつもイライラしていた。
そのイライラのはけ口として
私にあたっていた。
そうやって精神的バランスを取っていた訳だ。
両親に頭を撫でられたことも無く
抱きしめられたことも無い。
もちろん他人の前では抱っこくらいはして
数枚写真に納まっている。
でも私は両親に懐いてはいなかった。
安心して腕の中で眠るなどあり得なかった。
他人が同席しいて母や父が笑っていても
目を合わせると冷たい怒り感じとっていた。
「あとで覚えてろよ!余計なことをいうなよ!」
無言の威圧。
「さいぞうちゃん、いくつ?」
「4歳・・・」
ちらっと母を見た。
母の目がキッとなる・・・
母が父に報告する。
「です」をつけなかったことで
父に殴られる・・・
所詮私は子供だから
何時間も経った後の「躾け」の理由はわからない。
「このヤロー!!馬鹿ヤロー」と叩かれる大きな手が
顔いっぱいに覆いかぶさる。
声を出して泣けば
「うるせー!泣くな!このヤロー!」と殴られる。
夕方に父の帰宅を知らせるバイク音が怖かった。
家族だけになるのが怖かった。
夜になるのが怖かった。