東北地方太平洋沖地震について、


私が滞在している英国でも連日トップニュースで報道されています。


地震発生後2日間くらいは、BBCニュースはほぼ地震関連のニュースのみでした。




地震発生直後から、Facebookやメールで


私の家族の安否を気遣うメッセージを驚くほど多くの友人からもらいました。




また、今日話したドイツ人の友人によると、


週末のドイツのテレビは、


4局中3局がプライム・タイムの通常の番組を中止して


日本の地震特集を組んでいたようですし、


新聞も一面はすべて日本の地震だったそうです。



彼自身も、


FUKUSHIMAの原発で炉心を冷やせなくなってるのは大丈夫か?」とか


「津波で17000人の町で10000人が行方不明になっているのは本当か?」とか


「なぜ地震と津波の間に時間差があるはずなのに逃げ遅れてしまうのか?」とか


「日本は首相の指導力が低下していたが、今回の災害対応を任せられるのか?」とか


多方面に本当に関心が高いし、よく知ってるな、と驚かされました。


彼は普段から特段日本に詳しいわけではないので、


今回の地震に対する、ヨーロッパにおける関心の高さが表れていると思います。




欧州各国を含めた世界中の支援を受け、


日本が一日も早くこの災害から立ち上がれることを祈っています。




犠牲者の方々の冥福と、


被災者の方々の安心・安全の確保と、


被害地の一日も早い復旧を祈念しております。




アメリカ、中国、ロシア、インド、日本において、EUとの関係を今後強化していくべきか、という質問をしたところ、Yesと答えた割合は以下の通り。


・中国  98%

・ロシア 91%

・アメリカ 78%

・インド 68%

・日本 48%


中国の98%という数字については、本当にEUが何かを理解した上で回答しているのか眉唾ではあるが、いずれにせよ日本におけるEUへの認識が、他国の水準に比べて圧倒的に低いことがわかる。


実際、経済的にも政治的にも、日本におけるEUへの関心は驚くほど低い。例えば、ヨーロッパにおける日本車の販売台数は、2005年時点で日本車全メーカーの合計が約222万台であり、トップシェアのフォルクス・ワーゲン1社の293万台にすら遠く及ばない。トヨタがGMを抜いてトップに立ったアメリカ市場に比べると、その存在感はかなり低い。また、市場シェアは13.5%であり、アメリカでの市場シェア35%に比べると、その低さが際立つ。政治的にも、アメリカや中国との関係に常に気を使い、神経を尖らせているのに比べ、EUとは年に1回の定期首脳会談があるのみで、良くも悪くも大きなイシューはほとんどないと言って良い。


なぜなのか。大きな原因となっているのは、第二次世界大戦後のアメリカによる占領政策と、国際情勢だろう。東西冷戦下では、政治的には日本は西側陣営の一員として、アメリカとの関係を良好に保つことがすべてだった。また、アメリカによる占領の経験から、アメリカが日本にとって豊かさの象徴となり、それに追いつくことが経済的な目標になった。この10年から20年にかけて中国の力が急速に強まるにつれ、政治的にも経済的にも中国との関係が強まり、大きな割合を占めるようになったが、それも含め、第二次世界大戦後の日本の国際感覚は、太平洋に限定されていたのではないかと考えられる。


しかし、冷戦の崩壊後、世界は多極化の方向に向かっている。そしてEUは間違いなくその極のひとつである。しかし、多極化・グローバル化が急速に進む世界に対して、日本の国際感覚がついていかず、古い世界観を未だに引きずっているのではないかと考えられる。国際政治経済におけるEUのプレゼンスは今後ますます高まるだろうから、冒頭の調査結果のような認識を改め、早急に緊密なパートナーシップを築いていくことが必要と思われる(その際には、EUから求められるような存在感を持つことも、もちろん重要である)。




(2)EU理事会(Council of the European Union

EU理事会(閣僚理事会とも言う)は、政策分野ごと(財政、農業、貿易、環境、域内市場、等)に各国政府の閣僚が集まる政策レベルの意思決定機関である。従来はEU理事会がほぼ単独で意思決定の役割を担っていたが、単一欧州議定書以降、EU/ECの民主的コントロールを強化するために欧州議会に意思決定権限を付与する方向で改革が行われており、現在は原則として欧州議会とEU理事会が「共同意思決定機関」という形になっている。ただし、外交・安全保障分野においては欧州議会の権限は大きく制限されており、現在でもEU理事会の権限が非常に大きい。

リスボン条約により欧州理事会には独立の議長が誕生したが、EU理事会は従来通り6カ月ごとに各国が議長を担当する輪番制が維持された。これにより、欧州理事会とEU理事会の議長の間に組織上の上下関係がなくなり、2つの組織間の一貫性を保つのが難しくなったと言われる。他方で、6カ月という短い任期に伴う時系列における一貫性の問題も指摘されていたが、前議長国・現議長国・次期議長国が緊密に連携を取って議論を進める形によりこれを克服しようとしている。理事会の事務局組織は欧州委員会の事務局に比べて脆弱であり、議長国政府の処理能力が議長としての運営能力に直結するため、中小国が議長となった場合にキャパオーバーとなり、議論が進まないと言う問題点もある。

意思決定の効率化のため、EU理事会での議決においては原則として特定多数決制(Qualified Majority VotingQMV)が採用されている。基本的には、各国の人口比に基づき票を割り振り、総票数の23以上の賛成及び過半数以上の加盟国の賛成があれば議決されるというシステムだが、票の割り振りなどを巡り、マイナーチェンジが繰り返されている。加盟各国にとってはEU理事会の票割りと欧州委員会のポストはEUへの影響力の大きさに直結する死活問題であるため、票割り問題では熾烈な争いが行われている。例えばニース条約交渉時には、より人口比を反映した票割り(あるいは新たな意思決定方法)に変更するようドイツ(EU内で最も人口が多い)から提案があったが、フランス(ドイツより1800万人ほど人口が少ないが、持ち票数は同じ)が強行に反対したため、票割りの変更は実現しなかった。なお、外交・防衛分野では特定多数決制は採用されておらず、全会一致が原則となっている。