原本,正本,謄本,抄本 って何?
これって,法律実務に携わるようになって,
はじめに疑問に思う事柄だと思います。
まず,原本。
原本は,日常用語の“原本”のイメージで構いません。
すべての元となる,本物の文書,とでも言いましょうか。
例えば手書きの判決であれば,まさに裁判官が直筆で
書いた判決文書が,原本です。
次に,正本。
原本を元につくった写しなんですが,原本と同じ効力を持つものです。
上記の例でいうと,判決の原本は1通しかないので,
当然裁判所で保管されていて,外部に持ち出せません。
そこで,権原のある書記官が,判決の原本と同じ効力を持つ,
判決正本を作ります。
裁判をやると,原告にも被告にも判決書がもらえるわけですが,
あれは“正本”なんですね。
だって,原本は裁判所にありますから。
ただ,正本なので,原本と同じ効力がありますから,例えば,
その判決正本を持って,執行裁判所に行けば,強制執行することも
できてしまいます。
その意味では,当事者にとって,判決正本は貴重品です。
まさに判決です。
あとは,謄本,抄本。
謄本とは,ざっくばらんに言ってしまえば,単なる写し,です。
写しをみれば,原本の内容は分かりますが,原本と同じパワーは無い訳です。
ということで,こういう判決が出ましたよ,という証明書にはなるが,
判決書の効力はありません。
補足すると,謄本は,単なる写しは写しですが,
権原ある人(書記官)が,
原本の内容と同じ内容ですよ,ちゃんと正確な写しですよ,と
証明してくれている写し,です。
抄本は,謄本の一種です。
謄本は,全文の写しですが,
抄本は,一部だけ抜き出した写しです。
例えば,戸籍謄本と言えば,戸籍全体の写しですが,
戸籍の抄本と言えば,戸籍の中から,必要な部分だけを
抜き出した写しです。
とりとめもない話ですが。