床が傾いていると不安になったとき | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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床にビー玉を置いて転がったら、これは何かが起きているサインですってよく言われます。

 ただ、私の経験では、そんなことはないですね

 特に2階の部屋でビー玉を置いて転がらない家は少ないです。

ほとんどの家が転がります。

では、その家で何か構造的に問題が起きているかというと、そんなことはないんですね。 

 

経験的に床が傾いている家のうち、8割から9割は心配する必要がないんです。 

 

なぜ心配する必要がないか。 理由を簡単に言うと、2つです。

 1つ目は、新築の時から傾いている。

これはよくあるんです。 大工さんの上手い下手ということにもなってしまって、それはそれで問題かもしれないけど、 構造的に地盤が沈下しているとかいうことではないんですね。 

ですから、ちょっと乱暴かもしれないけど、心配しなくていいです。 

そしてもう1つ、木造住宅ですから木材が新築の時に比べて縮んだり反ったり曲がったりします。 

その結果、床が曲がるということもあります。 大抵はどちらかなんですね。だから心配しなくていいのです。 

 

そうは言っても地盤が下がっているというケースもあります。 

それはどうやって見分けるかというと、

 古いお宅の布基礎と言われる基礎の場合、基礎が大きく割れます。 ほんの1ミリ程度のクラック、亀裂でしたら心配することはないです。 

5ミリとかざっくり大きく割れているとか、そういう症状が出ていたら、これは地盤に何かが起きているというふうに考えてください。

 

 あと、簡単な見分け方です。 各部屋で同じ方向にビー玉が転がるとか、 各部屋の建具の閉めたときの隙間がみんな同じ方向になっているかです

これがバラバラだったら、地盤の沈下じゃないですよね。

 

 大工さんが下手だったか、あるいは木が曲がったりしているか、どちらかです。

 

 まとめていくと、床が下がっている、ビー玉が転がる、それでむやみに心配になることはないと思います。 

さっき言いました、基礎が大きく割れている。 そこまでいったときに心配になってください。

 

 まずは楽観的でいいと思います。

その方が絶対に気持ちよく暮らせると思います。