耐震診断の調査方法には2通りあります | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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専門家が行う木造住宅の耐震診断には、一般診断法と精密診断法の二通りの方法があります。
違いは、一般診断法が非破壊検査(壊さないで調べる)、精密診断法が破壊検査(壁や天井を壊して調べる)です。
 

補強が必要かどうかを調べる段階で破壊検査は行わないので、通常は一般診断法を採用します。

 

助成金を使う場合は各自治体の考え方で診断法を選択しますが、ほとんど一般診断法を推奨されます。

過去に東京都大田区だけは精密診断を行いなさいと指導がありました。
 

一般診断法の良いところは壊さないでも耐震性を調べられるところであり、欠点は壊してみなければわからないところを想像して耐震の評点を計算することになります。
想像ですから、性格ではありませんね。しかも、人それぞれで想像力が違うので診断員によって評価が分かれる事例も珍しくありません。

 

もちろん想像といっても、壁を叩いたりコンセントを取り外したり、屋根裏に入ったり、床下に入ったりして、とにかくできる限りのことをして、現状がどのようになってるかを調べていくのですが、それでもやっぱり限度はあります。

 

今限度があると書きましたが、言い換えると診断する人間の能力とか、どこまで一生懸命調べたかとか、あるいは診断結果に関して多少の恣意的な操作をしようとか、そういう曖昧さがあります

こんなこと言ってはいけないのですが、評点をちょっと悪くしとこうかなあとか、そういうことができてしまう診断法とも言えます。

 

ですから一般診断法と言うのは計算の結果としての評点、1.0とか、0.5とか0.3とか、その評点にこだわる事はあまり意味がないのですね。

 

大切なのはどのような根拠でその診断書が作られたのかをきちんと理解した上で、

今この現状この家が強いが弱いのかって言うことを見ることが大切です。

 

繰り返しますけど、一般診断法は非破壊壊さないのでとてもとても曖昧で想像しながら作成する診断書です。

ですから、点数をそのまま鵜呑みにして不安になる事はありません。まずそこは理解していて下さい。

 

責務をまっとうする診断員や、やみくもに不安を煽る診断員でなければ
診断書の内容をきちんと説明してくれるはずです

 

大切なのは正しく不安になることではないでしょうか