今日のテーマは『専門家の言葉の重さ』です。
一生の財産でもある家ですから、少しの異変でも気になりますね。
基礎がひび割れている。
クロスにクラックが入って破れた
通りがかりの職人に屋根が○○と言われた
例えば、基礎にクラックが入っているケースで、可能性を考えるなら1~100の間でどの程度のリスクがあるのかと言う判断になります。
では、専門家から8割方大丈夫と言われて、皆さんはどうお考えになるでしょうか。
8割安全で良かったと思うか、2割危険が心配で夜も眠れない
実は、眠れない夜を過ごす方も多い気がします
私の場合、曖昧な言い方はせずに、大丈夫ですと言い切ることが多いですね。
なぜなら、安心して住んでもらうことが大事だからです。
もちろん、先ほどのケースですと2割のリスクはあります
そこに責任を取るのもプロの仕事だと思っています
ですから、『大丈夫 心配しないでください』の後に、『しばらくしたら、また点検に来ますね』とか『大丈夫だけど、何か変化があったりしたら教えてくださいね』と付け加えます。
事実を正確に言うことも大切です。
一方で、専門家の何気ない一言が大きな不安を生むことも知っています。
お客様の家・人生を託されている者の責任として、大丈夫ですと言い切る安心と、この後何があっても絶対に家を守るという覚悟が建築家としての矜持です。
田口寛英