中古住宅購入予定者にインスペクションは必要か? | 還暦建築士の日記:リフォーム百科事典

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YouTube『リフォーム百科事典』を主宰する田口が、住まいと人生の最適解を求めるために、自分で意思決定して自分の人生を歩むため家つくりについてのヒントをお届けします
 

 購入予定の中古住宅について、何が知りたいのでしょうか?

 

インスペクションの報告書が欲しいわけではないですよね。

 

*この中古住宅を購入していいのか?

*致命的な欠陥や劣化はあるのか?

*雨のシミや床の傾きの原因は何か?

*入居時の劣化(老朽部)補修にいくらかかるのか?

*購入後、5年後10年後のメンテナンス計画と予算は?

 

こういったことではないでしょうか。

 

これらの質問に、インスペクションは答えてくれません。

 

 購入予定の中古住宅の調査を依頼されたときの経験をお話します。


お客様の関心は『この家を購入すべきかどうか』でしたので、私は『調査の途中で、重大な劣化や問題が発見出来たら調査を打ち切りましょう』と初めにお話ししました。

 なぜなら、最後まで調べて報告書を作成すると費用が掛かりますから、ダメな物件は早々に見切りをつけたほうが良いですよね。購入しない住宅のインスペクション報告書なんて必要ないですし。

 

 私がインスペクションを依頼されたときは、お客様の会話を重視します。 家の状況を説明するのはもちろんですが、お客様がこの家とどう付き合っていくのかとか、20年30年後の人生の最後までの希望をうかがいながら、お客様の人生にとってこの家が相応しいかどうかまでを考えてアドバイスします。

 

 人生と住まいの最適解を導き出すのが、仕事だと思っています。

 

 

田口寛英