私が建築士を取ったのは35歳の時でした。父の営む建築材料の問屋で専務を務めながら夜間の専門学校に通いました。
資格を取り設計事務所を立ち上げたときが阪神大震災の後で、耐震診断と補強が主な仕事になり、以後1000棟以上の耐震診断を行い、その中でお客様との絆も築かれて行きました。
もともと、構造体としての家を作りたくて建築士になったわけではなく、人に役立ちたい仕事がしたかった時にたまたま父親が建築系の仕事をしていただけですので、新築の設計とか既存住宅の改修とかにこだわりはありませんでした。
建築士になって20余年たち、既存住宅に関しての知識や経験の引き出しはかなり多くなっていると自負します。それでも、まだまだ知らなかったことや予測不可能だった現場に立ち会うこともあり、いまでも毎日が学びであります。
建築士と言うと図面を書くのが仕事のようにイメージされる方も多いのではないでしょうか
私は、図面書きよりももっと大切なのは、お客様の人生や価値観をお聞きすることだと考えます
ですから、建築や構造のプロではなく、住む人にとって最善の家を考える建築士=住生活デザイナーなのです