あらすじ
花見する総理と上様。しかし桜は蕾も出ておらず
調査により日本一長い商店街の巨大桜が日本中の桜の生気吸って究極満開してる事が発覚
商店街に核落として会長ごと殲滅、過程で死亡したワニは公園に沈埋
するとワニによる土壌汚染で桜萎れ切れた2人は対物ライフル乱射しワニ原子レベルまで蜂の巣に
---
上様「面を上げい」
総理大臣「はは~」
総理大臣は顔をあげおった。
そこには御簾の向こうに上様がいた。
上様「今日は何の用事できおったのだ」
総理大臣「そろそろ桜が満開のころなので、ぜひ花見にでもと」
上様「よいのじゃぞ?」
総理大臣「はは~、ありがたきおことば」
上様「余も桜はすきなのじゃ」
というわけでふたりは日本一長い商店街近くにある公園に行った。
総理大臣「ここは花見の名所なのですが……」
総理大臣はそう言いながら桜に目を遣るが花どころか蕾すらでておらず、まるで枯れ木であった。
上様「もう春ではないのか?」
総理大臣「異常気象なんですかね」
確かに、思えば今年の春は暖かくなったと思えば寒かったり、まるでいつまでも春にならないような、まさにいびつなものだった。
そのせいで桜の時期がずれてしまったのだろう。
総理大臣「もしかすると、平年よりずれてるのかもしれませんね。自然がそう言うのならどうしようもありません」
上様「間違いない。自然の摂理には逆らえぬのじゃ。とりあえず城に戻るのだぞ?」
というわけで二人は城に戻ることにしおった。
その道中
総理大臣「!!」
総理大臣は何かを発見しおった。
上様「なんなのじゃ」
総理大臣「う、上様……あれ……」
総理大臣が指を指しおった。
上様「!!」
彼の指差す方角に目をやると上様も驚愕しおった。
そこには5階建てビルくらいの高さはあるだろう巨大な漆喰壁の塀の向こうから桜が顔をのぞかせておった。
頂上の一部分だけでも一目で桜とわかるほど、見事な満開であったのだ。
総理大臣「上様、あそこなら素晴らしい桜が見れるのかも知れませぬ」
上様「あそこいくのじゃぞ?」
二人は桜の下へと向かいおった。
そこは日本一長い商店街の本部の離れの存在する庭園だったのだ。
総理大臣「なんて素晴らしい……」
ビルの18階くらいはあろう桜は下から上まで枝という枝に花を咲かせており、もはやこの世のものとは思えぬほど見事なものであった。
上様「このような桜が現世の、それも日本一長い商店街なんぞに存在するとは……」
日本一長い商店街会長「いやいや、総理大臣や上様とはいえども、俺の土地に入るとは頂けませんな」
総理大臣「貴様は日本一長い商店街会長」
日本一長い商店街会長が楼からでてきおった。
上様「東京中の桜がろくに咲いておらぬというのに、なんでこんなところの桜はさいておるのじゃ」
日本一長い商店街会長「ああ、俺の土地の究極桜を咲かせるためには東京、いや日本中の春が必要なのでちょっと借りただけです」
日本一長い商店街会長は自信ありげに言いおった。
総理大臣「どういうことなのだ」
日本一長い商店街会長「この桜はあまりにもでかいので栄養が行き届かないんですよ。なのでエネルギーがいるんです」
上様「つまりそのエネルギーというのが」
日本一長い商店街会長「春なんです」
総理大臣は悟りおった。
暖かくなったと思えば雪が積もったり、初夏の陽気かと思えば気温が20度下がるような今年の異常気象は、すべて日本一長い商店街会長がでかい桜を咲かすために引き起こしたものだったのだ。
総理大臣「なるほど……」
日本一長い商店街会長「理解してもらえましたか?まあ日本の季節も冬と夏だけのほうがメリハリがあるじゃないですか」
上様「貴様日本の美しい自然を愚弄すると成敗するぞよ?」
総理大臣「上様、一旦退きましょう」
上様「しかしやつが……」
総理大臣「今回ばかりはかないませぬ」
二人は退散しおった。
その背中を日本一長い商店街会長は腕を組みながら眺めておった。
総理は首相官邸に帰宅後備え付けの極秘ボタンを連打しおった。
すると核が連射され全部日本一長い商店街に落下し商店街はクレーターと化し会長は巻き込まれ死亡、ついでにワニもミサイル直撃して死亡しおった。
総理大臣はとりあえず最初の公園戻ったらワニの骸転がってたので桜の咲いてるスペースに埋めおった。
後日、異変の原因を取り除いたので総理大臣と上様は心躍らせながら公園に花見にきたら桜が蕾も出さず萎れておった。
総理大臣は即座に国会直属の土壌部隊召喚し土壌調査したらワニの骸から発生した汚染物質が原因だと判明した。
総理大臣と上様は憤怒し、国会の倉庫から対物ライフル持ってきてワニの骸を原子レベルになるまで蜂の巣にしおった。
その後、なんやかんやで桜は満開となり二人は楽しく花見しおった。
~完~