3元連立微分方程式
dx/dt=x+y+z…..①
dy/dt=-4x-3y-7z….②
dz/dt=2x+y+5z….③
の解法
<解法1>
①×2+②+③をつくってみます。
右辺は、
2x+2y+2z-4x-3y-7z+2x+y+5z=0
になります。
ということは、
d[2x+y+z]/dx=0
2x+y+z=C₁….④
になります。
よって、
y+z=C₁-2x
を①に代入して、
dx/dt=x+C₁-2x
dx/dt=-x+C₁
dx/(-x+C₁)=dt
-log(-x+C₁)=t+a
log(-x+C₁)=-t-a
log(-x+C₁)=loge^(-t-a)
-x+C₁=Ae^(-t)
よって、
④より、
z=C₁-2x-yを②に代入
dy/dt=-4x-3y-7(C₁-2x-y)
=-4x-3y-7C₁+14x+7y
=10x+4y-7C₁
に⑤を代入
dy/dt=10{C₁+C₂e^(-t)}+4y-7C₁
dy/dt=4y+10C₂e^(-t)+3C₁
dy/dt-4y=10C₂e^(-t)+3C₁
両辺に、e^(-4t)をかけて、
y’e^(-4t)-4ye^(-4t)=10C₂e^(-5t)+3C₁e^(-4t)
d[ye^(-4t)]/dt=10C₂e^(-5t)+3C₁e^(-4t)
ye^(-4t)=-2C₂e^(-5t)-(3/4)C₁e^(-4t)+C₃
よって
y(t)=-2C₂e^(-t)-(3/4)C₁+C₃e^(4t)
最後に、z=C₁-2x-yにx(t)とy(t)を代入して、
z=C₁-2{C₁+C₂e^(-t)}-{-2C₂e^(-t)-(3/4)C₁+C₃e^(4t)}
=C₁-2C₁-2C₂e^(-t)+2C₂e^(-t)+(3/4)C₁-C₃e^(4t)
=-(1/4)C₁-C₃e^(4t)
まとめると、
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
<解法2>
①+②+③ をつくると、
dx/dt+dy/dt+dz/dt=x+y+z-4x-3y-7z+2x+y+5z
=-x-y-z
d[x+y+z]/dt=-(x+y+z)
d[x+y+z]/(x+y+z)=-dt
log(x+y+z)=-t
よって、
x+y+z=Ae^(-t)
y+z=-x+Ae^(-t)を①に代入して、
dx/dt=Ae^(-t)
よって、
x(t)=-Ae^(-t)+B
あとは、解法1と同じ
<解法3>
x’=x+y+z…..①
y’=-4x-3y-7z….②
z’=2x+y+5z….③
①をtで微分
x’’=x’+y’+z’に②と③を代入
x’’=x’-4x-3y-7z+2x+y+5z
x’’=x’-2x-2y-2z
を微分
x’’’=x’’-2x’-2y’-2z’
に②と③を代入
x’’’=x’’-2x’-2(-4x-3y-7z)-2(2x+y+5z)
=x’’-2x’+4x+4y+4z
に①を代入
x’’’=x’’-2x’+4x’
よって、
x’’’-x’’-2x’=0….. ④
特性方程式
λ³-λ²-2λ=0
λ(λ-2)(λ+1)=0
λ=0,2,-1
よって④の一般解は、
x=A+Be^(2t)+Ce^(-t)
になった。
微分して
x’=2Be^(2t)-Ce^(-t)だから、
①に代入して
y+z=2Be^(2t)-Ce^(-t)-A-Be^(2t)-Ce^(-t)
=Be^(2t)-2Ce^(-t)-A
よって、
z=-y+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A….⑤
と、
x=A+Be^(2t)+Ce^(-t)
を②に代入
y’=-4{A+Be^(2t)+Ce^(-t)}-3y-7{-y+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A}
=-4A-4Be^(2t)-4Ce^(-t)-3y+7y-7Be^(2t)+14Ce^(-t)+7A
=4y-11Be^(2t)+10Ce^(-t)+3A
y’-4y=-11Be^(2t)+10Ce^(-t)+3A
両辺にe^(-4t)をかけて
(ye^(-4t))’=-11Be^(-2t)+10Ce^(-5t)+3Ae^(-4t)
よって、
ye^(-4t)=(11/2)Be^(-2t)-2Ce^(-5t)-(3/4)Ae^(-4t)+D
よって、
y=(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)-(3/4)A+De^(4t)
⑤より、
z=-(11/2)Be^(2t)+2Ce^(-t)+(3/4)A-De^(4t)+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A
=-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A
まとめると、
y=(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
z=-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A
ところが、3階微分方程式なのに、
積分定数が以下のようにA,B,C,Dの4つ出てきてしまった。
そこで、①②③について検算します。
まずは、
①は成り立ちます。
②も成り立ちます。
③は
z'=-9Be^(2t)-4De^(4t)
より、
2x+y+5z
=2{A+Be^(2t)+Ce^(-t)}
+(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
+5{-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A}
=
2A+2Be^(2t)+2Ce^(-t)
+(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
-(45/2)Be^(2t)-5De^(4t)-(5/4)A
=-15Be^(2t)-4De^(4t)
よって、
-9Be^(2t)-4De^(4t)=-15Be^(2t)-4De^(4t)
-9Be^(2t)=-15Be^(2t)
であれば成り立ちます。
したがって、B=0という条件になります。
よって、
x=A+Ce^(-t)
y=-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
z=-De^(4t)-(1/4)A
が解になり、<解法1>の
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
と解と一致します。
<別解>
行列を使って解きます。
連立微分方程式の王道的な解法だと思います。
解法1や2のように、3つの式の組み合わせを考えずに済みます。
dx/dt=x+y+z
dy/dt=-4x-3y-7z
dz/dt=2x+y+5z
A=
1….1….1
-4…-3…-7
2…1….5
という3×3行列とします。
u(t)=
x
y
z
縦ベクトル
u’=du/dt=
dx/dt
dy/dt
dz/dt
とする。
そうすると、与式の微分方程式は、
u’=Au…..①
と書けます。
Aを対角化する行列をP
対角化された行列をJとすれば、
Pの逆行列をP⁻¹ として、
P⁻¹AP=J
が成り立ちます。
左からPをかけると、単位行列Eとして
PP⁻¹AP=PJ
EAP=PJ
AP=PJ…..②
が成り立ちます。
Jは、対角化されているので、α、β、γを使って、
J=
α…0…0
0…β…0
0…0…γ
Pを縦ベクトルp₁,p₂,p₃を使って
P=(p₁,p₂,p₃)
とすると、②は、
A(p₁,p₂,p₃)=(p₁,p₂,p₃)J
になり、
Ap₁=αp₁
Ap₂=βp₂
Ap₃=γp₃
よって
(A-αE)p₁=0
(A-βE)p₂=0
(A-γE)p₃=0
p₁,p₂,p₃は、その固有値の固有ベクトルであることがわかります。
このPによって、変換するベクトルをvとして
u=Pvをつくってやると、①の微分方程式は、
Pv’=APv
となります。
左から、P⁻¹ をかけると、
P⁻¹Pv’=P⁻¹APv
v’=Jv…..③
になり、
J=
α…0…0
0…β…0
0…0…γ
だったので、微分方程式は、成分表示で、
v=
x₀
y₀
z₀
として、
x₀’=αx₀
y₀’=βy₀
z₀’=γz₀
という微分方程式になって、
x₀=e^(αt)
y₀=e^(βt)
z₀=e^(γt)
と容易に求めることができます。
以上の考察より、Aの固有値と固有ベクトルを求めていきます。
固有値をλとして、固有多項式は
det(A-λE)=|A-λE|=0
A-λE=
1-λ….1….1
-4…-3-λ…-7
2…1….5-λ
だから、
|A-λE|=0
λ(λ+1)(λ-4)=0
λ=4,-1,0
ⅰ) λ=4のとき
A-4E=
-3….1….1
-4…-7…-7
2…1….1
固有ベクトルをp₁
p₁=
x
y
z
とすると、
-3x+y+z=0
-4x-7y-7z=0
2x+y+z=0
この連立方程式より、
p₁=
0
-C₁
C₁
となります。
ⅱ) λ=-1のとき
A+E=
2….1….1
-4…-2…-7
2…1….6
固有ベクトルをp₂
p₂=
x
y
z
とすると、
2x+y+z=0
-4x-2y-7z=0
2x+y+6z=0
この連立方程式より、
p₂=
-C₂
2C₂
0
となります。
ⅲ) λ=0のとき
A+0*E=
1….1….1
-4…-3…-7
2…1….5
固有ベクトルをp₃
p₃=
x
y
z
とすると、
-x+y+z=0
-4x-3y-7z=0
2x+y+5z=0
この連立方程式より、
p₃=
-4C₃
3C₃
C₃
となります。
よって
P=
0….-C₂….-4C₃
-C₁…2C₂…3C₃
C₁…..0…..C₃
になります。
v=
x₀
y₀
z₀
で
x₀’=4x₀
y₀’=-y₀
z₀’=0
という微分方程式になって、
x₀=e^(4t)
y₀=e^(-t)
z₀=const(定数)=1
u=
x(t)
y(t)
z(t)
で、
u=Pvだったので、
x(t)=-C₂e^(-t)-4C₃
y(t)=-C₁e^(4t)+2C₂e^(-t)+3C₃
z(t)=C₁e^(4t)+C₃
となります。
解法1の解
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
と一致します。
dx/dt=x+y+z…..①
dy/dt=-4x-3y-7z….②
dz/dt=2x+y+5z….③
の解法
<解法1>
①×2+②+③をつくってみます。
右辺は、
2x+2y+2z-4x-3y-7z+2x+y+5z=0
になります。
ということは、
d[2x+y+z]/dx=0
2x+y+z=C₁….④
になります。
よって、
y+z=C₁-2x
を①に代入して、
dx/dt=x+C₁-2x
dx/dt=-x+C₁
dx/(-x+C₁)=dt
-log(-x+C₁)=t+a
log(-x+C₁)=-t-a
log(-x+C₁)=loge^(-t-a)
-x+C₁=Ae^(-t)
よって、
x(t)=C₁+C₂e^(-t)…⑤
④より、
z=C₁-2x-yを②に代入
dy/dt=-4x-3y-7(C₁-2x-y)
=-4x-3y-7C₁+14x+7y
=10x+4y-7C₁
に⑤を代入
dy/dt=10{C₁+C₂e^(-t)}+4y-7C₁
dy/dt=4y+10C₂e^(-t)+3C₁
dy/dt-4y=10C₂e^(-t)+3C₁
両辺に、e^(-4t)をかけて、
y’e^(-4t)-4ye^(-4t)=10C₂e^(-5t)+3C₁e^(-4t)
d[ye^(-4t)]/dt=10C₂e^(-5t)+3C₁e^(-4t)
ye^(-4t)=-2C₂e^(-5t)-(3/4)C₁e^(-4t)+C₃
よって
y(t)=-2C₂e^(-t)-(3/4)C₁+C₃e^(4t)
最後に、z=C₁-2x-yにx(t)とy(t)を代入して、
z=C₁-2{C₁+C₂e^(-t)}-{-2C₂e^(-t)-(3/4)C₁+C₃e^(4t)}
=C₁-2C₁-2C₂e^(-t)+2C₂e^(-t)+(3/4)C₁-C₃e^(4t)
=-(1/4)C₁-C₃e^(4t)
まとめると、
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
<解法2>
①+②+③ をつくると、
dx/dt+dy/dt+dz/dt=x+y+z-4x-3y-7z+2x+y+5z
=-x-y-z
d[x+y+z]/dt=-(x+y+z)
d[x+y+z]/(x+y+z)=-dt
log(x+y+z)=-t
よって、
x+y+z=Ae^(-t)
y+z=-x+Ae^(-t)を①に代入して、
dx/dt=Ae^(-t)
よって、
x(t)=-Ae^(-t)+B
あとは、解法1と同じ
<解法3>
x’=x+y+z…..①
y’=-4x-3y-7z….②
z’=2x+y+5z….③
①をtで微分
x’’=x’+y’+z’に②と③を代入
x’’=x’-4x-3y-7z+2x+y+5z
x’’=x’-2x-2y-2z
を微分
x’’’=x’’-2x’-2y’-2z’
に②と③を代入
x’’’=x’’-2x’-2(-4x-3y-7z)-2(2x+y+5z)
=x’’-2x’+4x+4y+4z
に①を代入
x’’’=x’’-2x’+4x’
よって、
x’’’-x’’-2x’=0….. ④
特性方程式
λ³-λ²-2λ=0
λ(λ-2)(λ+1)=0
λ=0,2,-1
よって④の一般解は、
x=A+Be^(2t)+Ce^(-t)
になった。
微分して
x’=2Be^(2t)-Ce^(-t)だから、
①に代入して
y+z=2Be^(2t)-Ce^(-t)-A-Be^(2t)-Ce^(-t)
=Be^(2t)-2Ce^(-t)-A
よって、
z=-y+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A….⑤
と、
x=A+Be^(2t)+Ce^(-t)
を②に代入
y’=-4{A+Be^(2t)+Ce^(-t)}-3y-7{-y+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A}
=-4A-4Be^(2t)-4Ce^(-t)-3y+7y-7Be^(2t)+14Ce^(-t)+7A
=4y-11Be^(2t)+10Ce^(-t)+3A
y’-4y=-11Be^(2t)+10Ce^(-t)+3A
両辺にe^(-4t)をかけて
(ye^(-4t))’=-11Be^(-2t)+10Ce^(-5t)+3Ae^(-4t)
よって、
ye^(-4t)=(11/2)Be^(-2t)-2Ce^(-5t)-(3/4)Ae^(-4t)+D
よって、
y=(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)-(3/4)A+De^(4t)
⑤より、
z=-(11/2)Be^(2t)+2Ce^(-t)+(3/4)A-De^(4t)+Be^(2t)-2Ce^(-t)-A
=-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A
まとめると、
x=A+Be^(2t)+Ce^(-t)
y=(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
z=-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A
ところが、3階微分方程式なのに、
積分定数が以下のようにA,B,C,Dの4つ出てきてしまった。
そこで、①②③について検算します。
まずは、
①は成り立ちます。
②も成り立ちます。
③は
z'=-9Be^(2t)-4De^(4t)
より、
2x+y+5z
=2{A+Be^(2t)+Ce^(-t)}
+(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
+5{-(9/2)Be^(2t)-De^(4t)-(1/4)A}
=
2A+2Be^(2t)+2Ce^(-t)
+(11/2)Be^(2t)-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
-(45/2)Be^(2t)-5De^(4t)-(5/4)A
=-15Be^(2t)-4De^(4t)
よって、
-9Be^(2t)-4De^(4t)=-15Be^(2t)-4De^(4t)
-9Be^(2t)=-15Be^(2t)
であれば成り立ちます。
したがって、B=0という条件になります。
よって、
x=A+Ce^(-t)
y=-2Ce^(-t)+De^(4t)-(3/4)A
z=-De^(4t)-(1/4)A
が解になり、<解法1>の
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
と解と一致します。
<別解>
行列を使って解きます。
連立微分方程式の王道的な解法だと思います。
解法1や2のように、3つの式の組み合わせを考えずに済みます。
dx/dt=x+y+z
dy/dt=-4x-3y-7z
dz/dt=2x+y+5z
A=
1….1….1
-4…-3…-7
2…1….5
という3×3行列とします。
u(t)=
x
y
z
縦ベクトル
u’=du/dt=
dx/dt
dy/dt
dz/dt
とする。
そうすると、与式の微分方程式は、
u’=Au…..①
と書けます。
Aを対角化する行列をP
対角化された行列をJとすれば、
Pの逆行列をP⁻¹ として、
P⁻¹AP=J
が成り立ちます。
左からPをかけると、単位行列Eとして
PP⁻¹AP=PJ
EAP=PJ
AP=PJ…..②
が成り立ちます。
Jは、対角化されているので、α、β、γを使って、
J=
α…0…0
0…β…0
0…0…γ
Pを縦ベクトルp₁,p₂,p₃を使って
P=(p₁,p₂,p₃)
とすると、②は、
A(p₁,p₂,p₃)=(p₁,p₂,p₃)J
になり、
Ap₁=αp₁
Ap₂=βp₂
Ap₃=γp₃
よって
(A-αE)p₁=0
(A-βE)p₂=0
(A-γE)p₃=0
となるので、結局、α,β,γは、Aの固有値
p₁,p₂,p₃は、その固有値の固有ベクトルであることがわかります。
このPによって、変換するベクトルをvとして
u=Pvをつくってやると、①の微分方程式は、
Pv’=APv
となります。
左から、P⁻¹ をかけると、
P⁻¹Pv’=P⁻¹APv
v’=Jv…..③
になり、
J=
α…0…0
0…β…0
0…0…γ
だったので、微分方程式は、成分表示で、
v=
x₀
y₀
z₀
として、
x₀’=αx₀
y₀’=βy₀
z₀’=γz₀
という微分方程式になって、
x₀=e^(αt)
y₀=e^(βt)
z₀=e^(γt)
と容易に求めることができます。
以上の考察より、Aの固有値と固有ベクトルを求めていきます。
固有値をλとして、固有多項式は
det(A-λE)=|A-λE|=0
A-λE=
1-λ….1….1
-4…-3-λ…-7
2…1….5-λ
だから、
|A-λE|=0
λ(λ+1)(λ-4)=0
λ=4,-1,0
ⅰ) λ=4のとき
A-4E=
-3….1….1
-4…-7…-7
2…1….1
固有ベクトルをp₁
p₁=
x
y
z
とすると、
-3x+y+z=0
-4x-7y-7z=0
2x+y+z=0
この連立方程式より、
p₁=
0
-C₁
C₁
となります。
ⅱ) λ=-1のとき
A+E=
2….1….1
-4…-2…-7
2…1….6
固有ベクトルをp₂
p₂=
x
y
z
とすると、
2x+y+z=0
-4x-2y-7z=0
2x+y+6z=0
この連立方程式より、
p₂=
-C₂
2C₂
0
となります。
ⅲ) λ=0のとき
A+0*E=
1….1….1
-4…-3…-7
2…1….5
固有ベクトルをp₃
p₃=
x
y
z
とすると、
-x+y+z=0
-4x-3y-7z=0
2x+y+5z=0
この連立方程式より、
p₃=
-4C₃
3C₃
C₃
となります。
よって
P=
0….-C₂….-4C₃
-C₁…2C₂…3C₃
C₁…..0…..C₃
になります。
v=
x₀
y₀
z₀
で
x₀’=4x₀
y₀’=-y₀
z₀’=0
という微分方程式になって、
x₀=e^(4t)
y₀=e^(-t)
z₀=const(定数)=1
u=
x(t)
y(t)
z(t)
で、
u=Pvだったので、
x(t)=-C₂e^(-t)-4C₃
y(t)=-C₁e^(4t)+2C₂e^(-t)+3C₃
z(t)=C₁e^(4t)+C₃
となります。
解法1の解
x(t)=C₂e^(-t)+C₁
y(t)=-2C₂e^(-t)+C₃e^(4t)-(3/4)C₁
z(t)=-C₃e^(4t)-(1/4)C₁
と一致します。