フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

 

このブログは、今落ち込んでいて、

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書き始めたパーソナルStoryです。

 

 

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ジュエリーデザインスクール③(40歳どん底Ns.がジュエリーで輝く2620日 ㉒)

 

 

 Studio M Point
 
 それが、ジュエリーデザインスクールの名前だった。
 
 最初にメールで問い合わせをした後、表参道まで足を運び、話を聞いてみることにした。
 
 那須塩原駅のホームからは、那須や塩原の山並みがよく見える。新幹線を待っている間、ぼんやりとその景色を眺めながら、
 「今度はジュエリーデザインスクールかぁ…」
 自分で自分を笑ってしまった。
 「この数年、こうやってよく東京に通っているなぁ、私」
 
 東京までは1時間ほどの距離だが、景色は全く違い、新幹線を降りたときのギャップが大きい。
 
 那須塩原駅周辺には、24時間300円~500円という、都心では考えられない料金の駐車場がたくさん広がっている。立体式や機械式などではなく、地面にアスファルトだけの平置き駐車場だ。
 ここに車を止めて、いつも東京に向かう。
 
 「お洒落な街だなぁ」
 表参道の駅を降りると、洗練された雰囲気のshop やオフィスが立ち並び、行き交う人の服装も変わる。iphoneの地図を片手に10分ほど歩き、閑静な住宅地の中にあるその建物にたどり着いた。
 
 いつものことながら、初めての場所は本当にドキドキする。
 でもこのドキドキも、この頃にはすこしずつ快感に変わりつつあった。
 
 南青山の隠れ家的な場所にあるシェアオフィス。エレベーターに乗ってデザインスクールのあるフロアで降りた。受け付けのカウンターで要件を伝えると、デザイナーの先生がすぐに現れた。
 
 初めてジュエリーデザイナーという職業の女性に出会った!
 「外見は全体的にナチュラルな雰囲気。年齢は私より若い? 美人だなぁ、そして優しそう…」
 挨拶を交わしながら、心の中ではこんなことを考えていた。
 
 個人レッスンを受ける先生がどんな人かを確かめるというのが、この日の主な目的だった。だから、話した内容はほとんど覚えていない。
 「この方だったら、大丈夫かな」
 そう思いながら話をうかがったことだけが記憶に残っている。
 
 最後に一番聞きたかったことを聞いてみた。
 
 「あの、ここで学んだら本当にデザインができるようになるのでしょうか?」
 
 「ハイジュエリーとかでなければ大丈夫だと思いますよ」
 
 先生は、微笑みながらそうおっしゃった。
 
 こんな私でも?
 半信半疑で「そうですか…」と言葉を続けた。
 
 「家に帰ってよく考えてから、申し込みしますね」
 そう言って、デザインスクールを後にした。
 
 那須に帰るまで、新幹線の座席に身を委ねながらこんなことを考えていた。
 「ジュエリーデザインは学ぶけれども、実際に自分が立ち上げるジュエリーブランドの商品デザインはプロの方にお願いしよう」
 
 その理由は、お客さまに最も喜んでいただける美しいジュエリーを届けたいから。デザインや品質の悪いものは売りたくない。
 
    素人の私が学んでもプロに敵うはずがない。経験の量と質は簡単には超えられない。
    それは自分自身の看護師の経験を通しても感じていることだった。
 
 ジュエリーデザインを学ぶのはデザイナーになるためではない。
 ジュエリーについてもっと勉強するために、この世界のことを知りたいからだ。
 
 この先の道筋はいまだに全然見えないけれど、また一歩進めてみよう。
 そう思ってデザインスクールに行く決意を固めた。
 
 どうなるかは分からない。不安もあったけれど、きっと大丈夫。どうにかなると思っていた。
 なんの根拠もないのに、心のどこかでそう信じていた。