フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

このブログは、今落ち込んでいて

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書き始めたパーソナルStoryです。

 

 

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希望の光(40歳どん底NS.がジュエリーで輝くまでの2620日⑤)
 
 
グリーンの葉がたくさん繁った観葉植物。
 今思えばそこには、私を外の世界へと導く何かが宿っていたのかもしれない。
 
 退職してから約5カ月が過ぎた夏の終わり頃。以前の職場の元上司が自宅を訪ねてきてくれた。手には緑鮮やかな観葉植物。きっと私がそれを大好きなことを知っていて、気遣ってくれたのだと思った。
 
 「そろそろ外に出ないとダメよ」。そう言って、ある大学の臨時職員として働くよう勧めてくれた。
 
 当時、外に出て人と交わることには不安でいっぱいだった。でも、こんな風に自分を心配してくれる人がいる。その気持ちに応えたくて、思い切って勧めを受けてみることにした。
 
 その大学は、自宅から50キロ以上離れた場所にあり、高速道路で通勤した。
 
 最初の数日間は、私に危害を加える人はいないかとドキドキしながら周りを観察していた。少しでも、怪しいと感じた人にはできる限り近づかないようにした。
 
 主な仕事内容は看護学生の実習指導。空いた時間には、学部長から依頼された仕事を手伝うこともあった。紹介してくれた元上司と学部長が知り合いだったこともあり、私の状況に配慮していただけたことにとても助けられ、どうにか仕事を続けることができた。
 
 周囲の人たちも「臨時だから」と、私に深く関わろうと思っていなかったのだろう。会話は業務上の必要事項の確認だけだった。だから気持ちも軽くいられた。
 
 朝、職員駐車場に車を止めてから、構内の並木道を歩いて職場に通った。11月頃には、紅葉がとても綺麗だった。
 
 冬になる頃には、その職場で新しい友人ができ、休日には一緒に出かけたりもした。前の職場を退職して以来、ずっと独りだったから、新しい友人ができたことは嬉しかった。
 
 心身のバランスを崩し、内にこもっていた私は、ほんの少しだけれど顔を上げられるようになった。
 観葉植物の緑に癒やされながら。
 
 もう少しで契約期間が終わろうとしていた3月の初め頃のこと。
 上司からの依頼を受けて、卒業式の祝辞を作るための資料を探していた。
 
 いくつもの文章を読み終え、「なかなか良いいものがないなぁ…」と思っていた時だった。
 あるスピーチの文章がふと目にとまった。
 
 「将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできない。できるのは、後からつなぎ合わせることだけ。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…」
 
 「好きなことがまだ見つからないなら、探し続けてください。本当にやりたいことが見つかった時には、不思議と自分でもすぐに分かるはずです。だから、探し続けてください。絶対に、立ち尽くしてはいけません」
 
 
 全ての言葉がそのまま染み入ってきた。
 
 その時、長い間沈んでいた心に希望の光が射し込んでくるのをはっきりと感じた。