ケーブルの選び方:被覆の帯電性と絶縁体 | ニャンコの音楽とオーディオでまったりした日々

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オーディオは以下のとおりです。
https://ameblo.jp/tiromie/entry-12481502923.html

ポリエチレン被覆のアコリバのプロ用電源ケーブルやWestern Electricの綿巻電源ケーブル、EX導体のバイワイヤーの中高音用に使っているスピーカーケーブルに巻いていたクライナのHelca1を取り去ったら音が開放的になり質感も雑味や歪みがなくなって劇的にクオリティアップしたことを一つ前の日記に書きました。

その原因は間違いなく、素材の帯電率と誘電率にあることがわかったので、さらに詳しく帯電率と誘電率について調べてみました。

 

常に音楽信号でフレミングの法則に従って物理振動する導体。

PVC(塩ビ)より帯電しにくいPE(ポリエチレン)の外皮に塩ビのグルグルを巻いていたのでは、双方の摩擦で帯電の悪影響が大きくなるのは当たり前でしたね。

 

以下抜粋引用

物体は電気的にみるとプラスとマイナスの電気配列で成り立っています。この電気配列が摩擦などの運動によりバランスが崩れ、電気的に極性が一方に片寄る事を“帯電する”といいます。

 

静電気は摩擦する物体によって“マイナス帯電”か“プラス帯電”のどちらかになります。これを表にしたのが帯電列といいます。

 

 

 

 ブラス電位に帯電しやすい素材とマイナス帯電しやすい素材を上手く組み合わせれば、電位の反転や静電気の打ち消し効果も期待出来ますが

(アコリバケーブルのテフロン絶縁と絹介在の組み合わせがこれに当たります)

互いにマイナス帯電しやすい素材を組み合わせた場合には摩擦しなくても接触しただけで帯電量が増してしまいます。

 

塩ビ外皮やポリエチレン外皮に塩ビパイプを巻き付けるクライナのHelicaは正に最悪な組み合わせであり、この手のケーブルグルグル巻アクセは最近AETなど他社からも出ていますが、その材質は総じて塩ビ製なので厳重な注意が必要です。

 

なお、うちでそのまま床のフローリングの木の上を這わせると音が悪くなりました。木材でもこれですから、化繊のカーペット敷きの床などはより静電気の影響を受けることは間違いありません。

 

うちではオーディオクエストのケーブルインシュレーターや静電気の除電効果をうたうフルテックのNCFブースターをケーブルインシュレーターに使うことで音質改善となりましたが、振動はともかく静電気の影響を考えれば当然の結果といえるでしょう。

 

 

高級オーディオケーブルでは振動コントロールや帯電予防防止の目的で、導体の絶縁材と介在(緩衝材)、外皮を異種素材の組み合わせ構造にしているケースが見受けられますし、実際そのような構造を採用しているケーブルは音質的に優れていることが多いです。

 

例えばテフロンパイプに導体を通しただけの構造のSOULNOTEのラインケーブルはこのように、絶縁材であるテフロンパイプがそのまま外皮です。

この元々帯電率が最悪なテフロンを床やカーペットに引き回したら当然静電気の悪影響を受けることになります。

自宅での各社ラインケーブル比較試聴でもSOULNOTEのラインケーブルが他社ケーブルに比べて明らかにクオリティで劣り、音質的にも大きな癖を感じたのは、シールドがないことによるノイズや電磁波の飛び込みもあったのでしょうが、帯電の影響が一番大きかったのかもしれません。

 

なおうちではSOULNOTE S-3Referenceには天板に大きく開いた穴からSHARPの除電効果が高い、車載用プラズマクラスターイオン発生器の逆さに乗せて、内部を常時除電しながら稼働させているのが効果ある理由の一つかもしれませんね。

 

では絶縁体はなにがいいのか?何度も書いていますが、逆にテフロンですね。

テフロンは帯電率は最悪ながらも誘電率では他の絶縁材樹脂よりも明らかに優れているのはこの表からも明らかです。


 

 

 

ちなみに誘電率は電流を止める力の値になります。

また、テフロンは誘電正接という値においても非常に優れています。

誘電正接を簡単に説明すれば「信号を変質させる値」になります。

この誘電率と誘電正接の値は低ければ低いほどいいわけです。

 

 

 

 

塩ビの塩化物流出の銅線表皮酸化に加えて、塩ビに比べてポリエチレン(PE)やフッ素樹脂(テフロン)が誘電率で塩ビの半分以下、誘電正接値は一桁違うことが判ります。

 

自分は塩ビ絶縁のケーブルは基本的にメインオーディオのケーブルに1本もなければ、自作真空管アンプの内部配線にも使いません。

 

7NやPC-TripleCなどの導体材料ばかり強調されることが多いですが、本当は絶縁体に注目すべきです。

絶縁材による伝送特性への影響は導体材料の違いより遥かに大きなものがあります。

この事実に異論がある大手オーディオケーブルメーカーの技術者はいないはずです。

しかし何故、高額オーディオケーブルなのに塩ビ絶縁や塩ビ外皮が用いられているのか?

 

その最大の理由はコストです。

テフロン絶縁の材料費は塩ビ絶縁の100倍以上です。

ポリエチレン絶縁にしても塩ビ絶縁の10倍以上のコストがかかります。

つまり、特性や音質が悪くなることを承知の上で利益重視で塩ビを採用しているのです。

ユーザー無視で自社の利益のみを追求した結果が粗悪な塩ビ絶縁や塩ビ外皮の採用です。

 

この事実は決して雑誌で書かれることはありませんし、知識がある評論家やオーディオショップ店員、マニアも皆無に等しいです。

仮に事実を知ったとしても、無関心、無頓着な評論家やマニアが殆どですし、オーディオショップは駄目なものでも売れればいいと、あえて無視しているので、ケーブルに真のクオリティアップを求める方は要注意です。

 

オーディオから自分の財産、懐を守れるのは自分しかいません。

特にケーブルの世界は余りにもデタラメだらけで詐欺犯罪がまかり通るような世界です。

騙されて無駄な散財をしないためには正しい知識を勉強して、ケーブルメーカーのカタログやHPに塩ビ絶縁や塩ビ外皮と記載されていたら選択肢から除外するようにしたいですね。テフロン絶縁の高額コストだけを売りものにしたテフロン剥き出し構造のケーブルも同じくです。

 

騙されるのも、オーディオで良い音が出せないのも全て自ら学ぼうとしないユーザー責任です。

 

せっかくオーディオを趣味としたのですから、正しい知識とスキルを身に付けて良い音で音楽を楽しみましょう。