ヴァルテレというメーカーはお初ながら、スリットからすぐに英国ロクサンで一世風靡したザクシーズやTMSを連想としたら、その設計者が立ち上げたメーカーだそうです。
これも当初は500万円以上のレコードプレーヤーしかなく、これでは国際的に貧乏になった日本人オーディオマニアが背伸びしても無理と輸入を諦めていたものの、150万円を切るモデル登場で輸入を決めたそうです。
技術詳細は公式サイトに譲りまして、個人的に感心しつつ、自分の寺垣プレーヤーのメンテナンスしての復活の気持ちはますます喪失したのでした
理由はこのMG-1PKGのモーターの振動遮断です。
モーターが回りだすと、モーター自体が少しスイングして動きます。
台にリジッドに固定されていないのですね。
そうしてモーターからプラッターまでは台が別にアイソレートされて振動遮断。
レコードのスピンドルも振動伝達部品で邪魔と、レコードを載せたら、スピンドルを外す徹底ぶり。
アームまではスリットも含めて、3枚分相当の台が異なるものとしての振動遮断。
針先にはレコードの溝以外の振動は伝えない徹底さです。
リムドライブでモーターゴロ音がもろ針が拾う寺垣が現代であの開発の手伝いをしていたPhasemationっまで放擲したのも無理はありません。
そうしてアームはこの途中に付いているシルバーのリングです。
カートリッジにはそれに見合うアームがあるのに、今はそれが博打になっている。
金属で重い針と木製ボディーで軽い針、それぞれ2gの針圧の意味は異なるはずと。
具体的にはアームが上下しやすい実行質量と、最低共振周波数をこのシルバー部分を前後させて可変できるという初めて見る工夫でした。
同じ指圧でもピアノの音が軽くなったり、重くなったり。
このどこが最適か、聞きながらでわかるそうです。
ピポット方式の単純な支持も経年劣化に強く、強い音に繋がっているそうです。
オーディオコアさんでのエアフォースVは130万強、アームのグランツも100万超えを思うと、国際的に第三国レベルの所得しか得られなくなった日本人には高嶺の花。
背伸びして届く範囲のアーム付レコードプレーヤーとしてはこのくらいか。
少なくともヤマハGT-5000の倍以上ではありますが、一生モノの現代プレーヤーとすればこちらにしますね。