月読命〖S〗 50 | 櫻の葉色

櫻の葉色

左利きマジョリティ

「腐」です。


苦手な方は、回避願います。





S

*  M ⇉  雅紀    S ⇉  翔    J ⇉  潤   

      N ⇉  ニノ    O ⇉  大野








「え?     なに?」




相葉がキョトンとした顔で コテンと首を傾けて 俺を覗き込む。


熱くなっている顔が赤くなっていない事を祈りながら、相葉のTシャツから覗く鎖骨を 指で差した。




「………此処……。」




ちょっと肌蹴れば見える ギリギリの 鎖骨に咲いた 皮下出血の痕があった。





「っ///!?     あ…っ///、、  また…っ、 しょ…っちゃ…///。     さくらいくんっ!    あの、、これは……っ///。」





分かりやすく動転し バタバタ手足を動かす 相葉を見て、俺じゃない  俺が付けた痕に、ちょっとの嬉しさと 酷く不快な気持ちが入り交じった。





「………本当……、   なんだな……。」



「………あ…   の……、、」



「……俺が…、    ソレ…    付けたんだろ……?」



「……おもい…   だせない…   よね……?」





真っ赤になったまま、俯いてしまった相葉を見て  思う。




相葉は、俺を   俺だと思っている。




間違いない。




俺は、   俺 だ。





……だけど…、思い出せないんじゃない……。



思い出なんて…、  俺には  無いんだ……。





「……悪い……。」



「あっ、ぜんぜんっ!      ご…、ごめんね、なんかっっ、、」



「何で、謝んの?」



「え?     だって…っ、、」



「謝んなよ……。」



「……ごめん……。」



「だからさぁ!」



「ごめ…っ、、じゃなくて…っ、  あの…っ、  えっと、すみませんっ、、」





………不思議だな……。




其処に残る 痕は、不快である事には変わらないのに、その痕を付けた相葉は、13も歳が離れているにも関わらず、愛らしいとさえ思えてしまっている……。














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