ラストノート 【スピンオフ/櫻井出会い編 】3 | 櫻の葉色

櫻の葉色

左利きマジョリティ

「腐」です。


苦手な方は、回避願います。






「23時まで ですよ。」




可愛い店員さんが、ニッコリ笑って 答えてくれる。




「良かった。   数時間は、 大丈夫だな…。   あの…、奥の席で、仕事しても良いかな?」



「今日は お客様も 少ないですし、ゆっくり なさって下さい。」



「良かった。  助かるよ。」



「はじめて、ですよね。  くふ。  気に入ってもらえると、うれしいな。」




バーのようにも  カフェのようにも 見える  お洒落な内装は、ゆったり寛げる広さがある。


壁や天井には クリスマスの装飾が施されているが、ギラギラとしたものでは無く、控えめで シックリと馴染んでいる。



ソファは座り心地も良く、テーブルの高さも丁度良い。




「こんな素敵な店があったのに、今まで気付かないでいたなんて  悔しいな…。」




思わず、本音が 漏れてしまった。


俺の独り言に クスクス笑う店員さんが  ヤバいくらいに可愛くて、 恥ずかしくて 思わずメニューで  顔を隠してしまった。



……俺…、どうしちゃったんだろ……///。




「ご注文は、どうなさいますか?」



「酒じゃなくて悪いが、取り敢えず……、カフェラテを。」

 


「かしこまりました。  お食事は、いかがいたしますか?」



「カフェラテだけで…。  取り敢えず。」



「かしこまりました。 ご用意いたしますね。」




店員さんの去って行く後ろ姿に見惚れ、ドキドキしている自分に、吃驚する。


今まで、こんな気持ちになった事なんて 無かった。



無意識に ボーッと目で追っていた俺に、暫くして 店員さんが 注文したカフェラテを持って やって来る。




「お待たせいたしました。  カフェラテです。」



「……有難う。」



「カフェラテは おかわり自由となっておりますので、お声掛けくださいね。  1時間前が、ラストオーダーとなります。  ラストオーダー時には、またお伺いします。   お仕事、がんばってください。」



「///。」




そうだよ。


まずは、仕事だろ。


本来の目的を忘れるところだった。



俺は 両手で自分の頬をパシッと叩いて気合を入れて、 ラップトップを開いた。