9割フィクション小説~Door Breaching~ #1 | 横須賀どぶ板通り巡り人

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横須賀在住の主がどぶ板通りの飲み屋をメインにどぶ板の魅力を発信するサイド

2月 如月


とにかく、このクソ寒い時期に


内定をもらった就職先で春まで研修を行う。



この不景気。


それなりの会社の内定をもらい(1年就職浪人したけど…)


正社員として採用されたことは


多分ラッキーなことなんだろう。



生まれが高知県のせいか


神奈川県の比較的暖かいと言われる地域でも


寒さが身にしみる。



でも、俺は地元を出れれば、どこでもよかった。


遠ければ遠いほどよかった。



俺はアノ家が大嫌いだったから…


アノ人達が大嫌いだったから…



春までに2ヶ月間は会社が借り上げている寮に住める。


引越しと物件探しがブッキングしないのは良かった。



大学まで高知の実家にいたこともあり


【一人暮らし】というやつの右も左も分からない。



…一人暮らしできただけ御の字かぁ…


先に届いていたダンボールの山を見ながら


ホッとする。



研修は明日から。



1日、と言っても


もう半日しかないが。



このダンボールを開封して


人並みに暮らしていけるように。


と思うと


今日の夕飯はコンビニ弁当が妥当だろう。



カーテンもつけてない窓から


綺麗な三日月が見えた。