帰りの電車で体育会系男子高校生に足を踏まれた。
「うっ」
私の時間が止まった。
わざとか!?と疑いたくなるくらい、直角に降りてきた衝撃。
さすがスポーツマン、「すみません」と素直に謝られ、
普段なら笑顔で返すところだが、
骨折れてるんじゃないか?というくらいの痛さに、
「謝って済んだら警察いらんのじゃ」
という気持ちが全面に現れた顔で軽く会釈をした。
目つきの悪い私のことだから、
「殺すぞてめえ」
くらいの顔に見えたかもしれない。
ちょっと、男子高校生がひいていた。
私のブーツが安全靴だったらよかったのに。
ほんまに骨折れてたら、こんな痛さじゃ済まないよね。
でも、この小指の痛さはなんだ?
あ、深爪の古傷が今の衝撃で刺激されたんかしら?
などと、痛みが治まり、高校生が降りるまで、
ポーカーフェイスを保ちながらも、考えていた。
ほんまに痛かった。
踏んだ人は、踏まれた人の痛さは分からない。
何かの比喩で使う言葉だけど、ほんと、そうよ。
不可抗力だけどさ。
こんな痛さを悪意もなく人に与えるなんて、やっぱり罪深いよ。
私自身も、大地にしっかり足を付けて、
満員電車の中では特に、踏みしめていこう。
揺られても、自分を持ってしっかり立つんだ。
家に帰り、母に愚痴ったところ、
「謝って済んだら警察いらんな」と言われた。
この母に育てられた自分だと、改めて感じた出来事でありました。
と、同時に面白く返せなかった自分を恥じ、
大人気ない自分を恥じた出来事でもありました。
許せ、男子高校生。