最近、自分のことばかり考えるようになった。
自分の生き方について考えてみたんだ。
ずっと前から現在に至るまでの過去を振り返ってみる。そうだな、大半が悪いことばかりだった気がする。良いことか、あんまり思い浮かばないな。
まぁそういうもんだろう。他人の悪いところ、気に食わないところは簡単に見つかるんだから、自分のことを省みても、結局悪いことばかりが目につくんだろう。
バカバカしいくらい脳天気な話なんだがな、聞いてくれ。
今まで喧嘩してそれっきりだった奴、心の底から憎かった奴、素直になりきれなくて気まずくなった奴、そいつらを捨てて今に至ったのが果たして良かったんだろうかって思うようになったんだ。
みんなと心を通いあわせて、生活出来たらどんなに毎日が楽しかっただろうか。
もちろん、そんな甘っちょろい夢想などありえない。
それに、俺は自分の実力で生きてみたいと思ってるんだ。馬鹿馬鹿しいくらい、変な話だ。
でもさ、そういう自分がいたらと思うと、すごく眩しく思えてくる。羨ましくて、どんなに理想的だろうかと。
そうやって生きてみるのも決して悪い話じゃないな。
…出来るだろうか。
実力を磨きたくて、自分を知りたくて、他人を追い越したくて、その一方で人間を拾い集めるような生き方。
一見矛盾してるようにしか見えない。俺は同情は嫌いだ。上っ面だけのおべっかも嫌いだ。人が落ち込んでるときに、笑えと何食わぬツラで、気持ちも知ろうともせずに笑いかけてくる奴も嫌いだ。一時の言葉で他人の気持ちを弄ぶ奴も嫌いだ。知ったふうな台詞ばかり連発して、相手の話も聞いてやらずに、一方的に励まそうとする奴も嫌いだ。
心の底から思いやれる奴だったら信じていい。
こんな風に考えてるから、一層眩しく見えてしまうんだろうな。
なんて羨ましくて、眩しいんだろう。