吸入ステロイドによる嗄声 | 小さな薬局の学習帳

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小さな薬局で細々と働いている薬剤師による、薬学を中心とした日々の疑問等を割と無味乾燥に綴るブログ。東洋医学ネタもちょいちょい盛り込みます。
【注意】
・ 個人的な学習帳なので、すべてが正しいわけではありません。必ずご自身で真偽を確かめてください。

こんにちは。


自分の薬局では吸入指導することが最近多くて、もう一度吸入薬について勉強しなおしています。

そこで、今日は吸入薬の副作用の中でも比較的頻度の高い「嗄声」について調べたことをまとめてみたいと思います。


☞ そもそも「嗄声」って何??

 いわゆる「声がれ」とか「しわがれ声」といわれるものです。

定義上は「声の3要素(高さ、大きさ、音質)の異常である音声障害のうち、「音質」の異常をきたすもの」となっています。


☞ 嗄声の分類

 知らなかったのですが、嗄声には種類があるようで・・・


① 気息性嗄声

 息漏れ雑音の多いもの。声帯の動きが悪かったり、声門の閉鎖不全によるものが多いようです。


② 粗糙性嗄声

 いわゆるがらがら声。声帯の振動が妨げられることによるもの。


③ 努力性嗄声

 いかにも無理をして苦しそうに出している声。仮声帯振動によるものなどがあるそうです。


④ 無力性嗄声

 いかにも弱々しい声。


今回のテーマである吸入ステロイドによる嗄声はどれに当てはまるかといえば、①の気息性嗄声に該当します。


よくある誤解として「ひそひそ話」は声帯を休ませたことになりませんのであしからず。


☞ 吸入ステロイドによりなぜ嗄声になるのか?

 ステロイドが口腔内に付着することにより、ステロイド筋症を引き起こすため。でも他にも原因があるのかもしれないといわれているようです。

 ※ ステロイド:タンパク異化亢進作用。


~その他~

・ DPIのほうがpMDIよりも頻度が高い(自力吸入のため)

・ 75歳以上の高齢者に多い傾向(加齢により吸入流速が低下するためか)


しかし、何でもかんでもステロイド使った後に起こった嗄声をステロイドのせいにするにはどうかと・・・


ということで


まずは他の要因を除外する必要があると思います(まあ当然かw)。


例えば・・・

① 風邪ひいていないか?

② カラオケとか声を酷使しなかったか?

③ 声を酷使する職業でないか?  


などなどのチェック。これらを除外してから気息性嗄声であれば、怪しむべきなのかもしれません。


☞ 口腔内の副作用の予防

とにかく「うがい」!!これしかありません。ただし、うがいをしても起きる嗄声があることを念頭に置くこと。


指導時はなるべく具体的にする必要があります。


① ガラガラも大事ですが、クシュクシュとすすぐこともわすれずに行う。

② ①を5秒以上2回行う。

③ それでもどこか口の中が痛かったらそこの部分のうがいが甘い可能性があるので重点的に。それでも改善しない場合は相談。

④ なんとなく声がれがするなと思ったら次回相談。


④については職業などによっては日常生活に支障をきたす場合があるのでそこは考慮するべきでしょう。




☞ ステロイド嗄声の用量依存性と可逆性について

 フルチカゾンについては、明らかな用量依存性があることが分かっているようですが、他はわかりませんでした。

 基本的にステロイドを中止することで速やかに嗄声はなくなるとのこと。中止が困難な場合は、他の薬剤に切り換えることでよくなる可能性が高いとのこと。



吸入ステロイドによる口腔内のトラブルは他にもあります。またの機会にまとめてみたいと思います。