今日から各論。まずは辛温解表薬。2回に分けてメモ程度に自分の勉強用に書きます。
解表薬
表邪を発散して、表証を解除する薬物。汗をかかすものなので、解表薬は八綱弁証でいうと、(外感)表寒実証向けの生薬ということになる。
自汗や虚弱体質には慎重投与もしくは禁忌。過度の発汗は陰液を損傷するので、長期間服用せずに症状がなくなったらすぐにやめる。
解表薬には、温めて発散させる辛温解表薬と冷やして発散させる辛涼解表薬の2種類に分類される。
辛温解表薬の方が辛涼解表薬よりも汗をかかせる力が強い。これは何となくイメージできると思います。
● 麻黄
性味 辛・温
帰経 肺・膀胱
効能
1 発汗解表 2 宣肺平喘 3 利水消腫
※ 体が虚弱で常に汗を出し、寝汗をかいて喘息する者はすべて服用してはいけない。陰虚もだめ。
・ 麻黄湯、麻杏甘石湯、麻黄附子細辛湯、越婢加朮湯などに麻黄が入っています。
【備考】
・ 汗をガンガンかかす、アグレッシブなヤツ。
・ 汗をかかせる働きと咳止めの作用が主な作用。麻杏甘石湯の麻黄は石膏によって冷やす作用が優勢になって、麻黄の温める作用が薄れて、咳止めの作用が強く出る。
● 桂枝
性味 辛・甘・温
帰経 心・肺・膀胱
効能
1 発汗解肌 2 温陽利水 3 温通経絡 4 温中散寒
※ 温熱病、陽虚陽盛の証、出血証および妊婦には服用させないこと。
・ 方剤名に「桂枝」が入っているシリーズ
桂枝湯、桂枝加朮附湯、桂枝茯苓丸、桂枝加芍薬湯など
・ その他
五苓散、麻黄湯、小建中湯など
【備考】
・ 帰経の心はあんまり意味が分からない。
・ たとえば桂枝湯のように、日本漢方では原典が桂枝のところを桂皮で代用していることが多い。(桂皮は温裏薬)
・ 全体として汗をガンガンかかすというより、温めるって感じのイメージ。汗をかかせるものと一緒になって発汗作用を強める「縁の下の力持ち」。麻黄湯における桂枝がまさにその典型。
● 紫蘇葉(蘇葉)
性味 辛・温
帰経 肺・脾
効能
1 解表散寒 2 行気 3 解魚介毒
・ 方剤名に「蘇」が入っているシリーズ
香蘇散、杏蘇散、参蘇飲など
・ その他
半夏厚朴湯、神秘湯など
【備考】
・ 解魚介毒って魚介類の中毒に使うらしい。刺身の下に紫蘇の葉が敷いてあるのは何か理由が・・・でもあれは緑か。
・ 半夏厚朴湯から「行気」の効能は容易に想像可。
・ 解表というより気をめぐらすイメージの強い生薬。
● 防風
性味 辛・甘・温
帰経 膀胱・肝・脾
効能
1 祛風解表除湿 2 祛風解痙止痛
・ 方剤名に「防風」が入っているシリーズ
清上防風湯、防風通聖散など
・ その他
荊芥連翹湯、疎経活血湯など
【備考】
・ 生薬名通り「風」を防ぐ作用をもつ。皮膚病によく使う。
・ 帰経は肺のイメージで十分。
● 生姜
性味 辛・温
帰経 肺・胃・脾
効能
1 発汗解表 2 温中止嘔 3 温肺止咳
・ 生姜はいろんな方剤に入っているので、あえて何に入っているかを気にする必要はない。
【備考】
・ 体を温める代表生薬。「生姜」と「乾姜」があることに注意。吐き気止めとしての作用は生姜の方がある。乾いたらほぼ効果なし。温める作用は生姜より乾姜の方がある。「生姜」は生のものを使用するのが原則。
以上、辛温解表薬の一部でした。次回は残りの生薬について書きます。