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tiny-heaven

背骨を真っ直ぐに打ち直したら

肋骨を帆にして

リズムを持った心を紡ごう


脚を鳴らして
胸を震わせて。


息を切らせて走ると
気道や肺に流れるそれは、完全な冬の匂いだった。

冷える指先や、吐く息の白さに
街で目にするイルミネーションに
掘り返されることは、無い訳じゃない。
寧ろ、在ることばかりなんだ。

大事なものを抱えてはいるのに
抱きしめたままのその姿を見失う時を時折数える。
目に入る景色に、そのままぼうっと意識を持っていかれたように一瞬立ち竦む。


無駄なことなんて、ひとつもない。
無駄だったことなんて、ひとつもないよ。


ばかミタイに抱いてた淡い期待を
噛み潰して飲み込めるようになった。
わたしの中で、ちゃんと消化できているかどうかまでは未だ解らないけれど。


ひとりでぽつんと東京に投げ出された気がしていたような頃、
行けるところなんてほとんど無くて
わたしは、この街で生きていけるかどうかさえも、もう描けずにいた。

繋がらないピースばかりを拾い集めて、
報われない想いに身体を引きずられて
それでも何処かでいつか、納得できる自分自身を願った。
微かな希望だった。


同じ季節を迎えるはじめての年は 
じんわりと沁むくらいには残酷だから 
この冬が、わたしにとって
新しい感覚を創るものになるものと信じて 
気道や肺に感じる冷たい匂いを噛み締める。


いつまでもは連れて行かない。
いつまでもは留まっていない。

取るに足りないものだったわたしなら、
遥かに昔からそこでは生きていないから。


誰の感覚が正しいわけでも
どの選択が間違っていたわけでもない。
だから、誰も悪くない。

導かれたわたしくらいだ。


潰れた眼が、少しずつ光を拾う。
そうだ。わたしは。
眼に映るものを切り取るだけじゃなく、そこへちゃんと心を乗せたいんだ。

ファインダーで覗く前に、
この眼でしっかり見据えてみる。

そして、心のフィルターをかけてシャッターを切る。



わたしは、
わたしの生き方に胸を張ることで
やさしいものを忘れないでいたい。


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