誰が読んでいるのかもわからないこんな処で
思い出したように吐瀉物を吐き出す。
何かが楽になるわけじゃない。
なんにも、なんにも変わらない。
言葉は、心を越えない。
だけど心ごとは 誰にも示せない
抱きとめてはもらえないから。
シャッターを切っているときだけ
そのときだけ解放される。
それ以外のどんな時間も
頭の片隅なんてかわいいところじゃなく
それは視界にしっかりと鎮座している。
電車に乗るのが、苦手になった。
向かい側にちっぽけな瞬間を観て、
ひとりで視界を霞ませてしまうから。
こないだ撮影した婚礼の新郎は
爪の先を染めていて、
しきりに指を掻いていた。
最近話の合う人は何故か
雪に埋もれる地方の人ばかりだ。
もう二度と逢えないなら
もう二度と触れないなら
もう二度と同じ時間を、分け合えないなら
なんの足跡だって要らない。
似た香りさえも要らない。
なにも
なにも、わたしを楽にはしてくれない。
ちっとも戻してはくれない。
どうにか生きてきたこの一ヶ月
ずっと何処かで何かを願ってきたけど
どうしたってわたしは要らなくて
そして何も変わらずこうして、
ばかミタイに泣くんだ。
無い言葉は、
イコールの意味でしかないと言い聞かせている。
ヘッドライトに照らされても
その主はそのままわたしを撥ねてはくれない。
生きてる心地がしていないんだ、ずっと。
わたしはちゃんと、歩けてないよ。
あぁ
やっぱり黒が似合ってる。
だいすきだった色だ。
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