this Armor | tiny-heaven

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背骨を真っ直ぐに打ち直したら

肋骨を帆にして

リズムを持った心を紡ごう


脚を鳴らして
胸を震わせて。







「空を食うようにびっしりビルが這う街」の人は
とても、とても早く歩く。


渦の中でひとたび立ち止まってしまえば
この場所に居る自分が誰なのかも
きっと解らなくなってしまうだろうから

だから人がたくさんいる所でひとりきりのとき
わたしはとても早く歩く。
とても、とても早く歩くようにする。


あたまのなかをうわっと襲うことに

囚われないように
遮られないように、

引き摺られてゆかないように。





何かに迷うとき

月はとても残酷で

何かに惑うとき

月はとても冷たくて


夜道を照らすその明るさに

心臓まるごと見透かされているようだ。




曇天の中央に鈍いリングを纏って
其処で、見下ろしている。

どれだけ早く歩いても
どれだけ早く歩いても、

どれだけ 早く歩こうとしても

無様に足掻くこの様を
ずっとそうして、見つめているんだね。


手を差し伸べるでもなく

言葉も無く


視てくれているのかどうかも
わからないほど ただ静かに。




溶けた雪を跳ねて
向こうから走ってくる車のヘッドライトに照らされる


どんな顔をしているんだろうか、わたしは。





緩やかな月のカーブ

見上げたこの眼にも

そのキャッチライトはちゃんと入ってるのだろうか。




そうして

何処かで誰かの眼に映るわたしは

ちゃんとしていられてるだろうか。




そうで在ればいいのだけれど。









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