やさしいひとは、かなしかった。
やさしくだきしめられると、
そのまま消えてしまいたかった。
そんな感覚ばかりが
ずっと拭えなくて
抱きしめられて、抱きしめ返したら
ふと泣いてしまったあの夜
きみの肩で泣いてないと嘘をついたわたしの身体を離しては
右の目を舐めて言った。
「うそつけ、しょっぱいじゃん」
ほんのささやかな月明かりくらいしかない闇の中で
ふいにこぼしてしまったさみしさを
見つけてくれて、
そしてまた抱きしめてくれたことがうれしかった。
言葉じゃなくても
探してた温度がそこに在ったから。
いつも
わたしの心を見つけてくれてありがとう。
きみのやさしさはあれからもう
かなしいものじゃないから
きみがすきだと言ったひとのように
わたしは笑っていようと思うよ。
くちづけるように
そっと、やさしく在ろう。
撫でるように
そうやわらかく在ろう。
そして、やさしく笑えるように
もっと 強く在ろう。
その左側にいられるなら
わたしはきっとずっと しあわせだから
きみのことを
きっと、ずっと
しあわせにしてあげられるように。
響きをかぞえて
反響させて
そしてその音に包まれて
新しい歌を歌うように
ここに在るのはとても
幸福な感情なんだ。
