言葉をひとつ届けられるとしたら
今更ながら何を想おうか、とたまに思うんだ。
出逢ってから10年が経つ夏が来るよ。
単純じゃない年月の中で
あたしはきみを追い抜いて少しずつ大人になってきたつもりで、
だからなんだろうか。ふと振り返ると、きみの断片すらも思い出せなかったりもするんだ。
同じ季節が来る度に
否応無く薄れてしまっている記憶を少し呪うけれど
きっとこれは悪い事じゃないから
その前の季節よりまた少しやわらかな感覚で、きみの事を想っているよ。
人は時として
形もないものに姿を変えてしまえるし
その時に遺せるものなんて、本当は何もないのかもしれない。
現実の中にある死は無情な位に残酷で、その残酷さを上回ってしまえるのが忘れてしまう事だったりして。
大きな何かになりたい訳じゃない、
だけど。
こうして生きてきた軌跡を誰かの中に、何処かに示せるような歩み方をしたいと
そう思わせてくれたのはやっぱり、きみありきだなんて思う。
触れた痛みのその感覚は薄れるけど
記憶はずっと構築されていく。
その記憶があるから、やさしい何かになろうと出来る。
いつからか空を見上げるのがあたしの癖で
でもそれはふと辿ってみれば、ちょうどあれくらいの時期からだった気がするよ。
同じ空の下には居られないけれど
あの景色だけは忘れずにいる。
儚いなら、強くあれ。
強くあるために、優しくあれ。
優しさならば、正しくあれ。
今生かされてる事実は、
今活かされている環境は、
とんでもなく愛すべきもので、
きっと。とんでもなく愛されてもいるんだと願いながら。
今日もちゃんと朝が来て、
そしてえらく綺麗な夕陽が落ちるよ。
hallo.again。
