2009年に公開されアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞したた『ザ・コーヴ』は、和歌山県太地町におけるイルカ猟の残酷な殺害方法とその不必要な食用を伝えたものでした。
しかしこの映画は海外のヒステリックな動物愛護団体にデフォルメされた内容だと思っていました。
実際にイルカ肉などわざわざ好んで食べようとする日本人はほとんどいませんし。
静岡県や岩手県のスーパーでたまに見かけるイルカ肉もそんな高くは売れないので、
あれほど多くの漁師たちがこぞってイルカの追い込み漁をしても大した収入にはならず、いつしかイルカ猟などなくなると思っていました。
ところがなぜかあれほどの非難を受けながらも毎年行われる和歌山のイルカ追い込み猟はまるで翳りを見せません...
実は太地町におけるイルカ猟は日本の伝統的食文化を守るためなどではなく、捕獲したイルカを国内外の水族館に売って儲けるビジネスのためだったのです。
彼らのイルカ猟の収益の80%は日本や世界の水族館に売られて得たものであることが、NGO団体Life Investigation Agency(LIA)代表ヤブキ レン氏の長期にわたる取材で判明しました。
水族館は展示する生体に関し大きさや年齢、欠損のあるなしなど非常に細かく注文をつけますが、気に入れば恐ろしく高値で購入してくれます。
そのため太地町開発公社は売れそうにないイルカは屠殺し二束三文で食用に回し、売れそうな個体は巨大な海上のイケスに常にストックしています。
今まで「日本ではイルカ肉を食べる伝統的食文化がありイルカ肉を好んで食べる人が今でもたくさんいるからイルカ猟は止められないんだ」などとその残忍な惨殺行為をあたかも日本人の食文化のせいにしてきた彼らですが、止められない理由は水族館にイルカを売って荒稼ぎできるからだったのです。
許せないと思いませんか?
彼らはイルカ肉で儲けなくてもいいので、惨殺したイルカの肉を驚くほど安値で流通させます。
切り身になったものがパッケージされ安くスーパーに並んでいたら、そりゃ食費を節約したいと苦労している皆さんが食べてみようかと手を出してしまっても不思議ではないでしょうね。
誰もその切り身が、子供や仲間を見捨てられなくて一緒に捕まった挙句、ひどい苦痛とともに惨殺された知能の高い生き物の肉片だなどとは想像もしないでしょう。
水族館に売り捌くことで大半の利益が得られるのであれば、それ以外のイルカたちを殺戮する必要はないのになぜ『食用のための捕獲』というスタイルを続けているのでしょうね。
そして私たちが笑顔で眺めていたイルカショーは、 目の前で母親が惨殺され家族から無惨に引き離された子イルカたちの成れの果てだったわけです...
学術的研究のためではなく民間企業である水族館が客寄せのためにイルカに芸を教え、その利益がないと経営が成り立たないのであれば動物園や水族館は全て公営にしたほうがいいかもしれませんね。
そうすればコロナ禍で経営不振になった動物園や水族館が飼育できなくなった生物を悪化した環境の中で見殺しにしたり、劣悪な飼育をする中国の施設に投げ売りしたりしなくても良くなるでしょうに...
イルカショーのイルカたちが楽しそうに笑顔で芸をしていると思っていた人は、下の記事を読んでみてください。
ペットショップもイルカショーも明るくて笑顔に溢れた場所に見えますが、それを支えている裏は人間の欲と動物たちの血にまみれたおぞましい世界なのです...
そしてこのおぞましい追い込み猟が
今年も9月1日から行われているのです...😞