なぜお爺たちは体罰が好きなのか? | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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世の中がこれほど人権侵害に関してセンシティブになり、

年配者たちのデリカシーのない暴言に反感を感じるようになってきたにも関わらず、

なぜか『体罰教育』に関しては意見が分かれるんですよね...

 

どんなに説明しても「それでも教育に体罰は必要だ!」と言い張る人は納得しません。


「昔は怖い先生にボコボコに殴られたけど、おかげで今の自分がいる」とか

「体罰は必要悪だ!今の学校は体罰を使わないから教師が生徒になめられるんだ!」

などと言って『体罰容認論』を引き下げません。

 

 

 

日本人の中に体罰教育を悪いことだと思わず、

ノスタルジーを感じながら擁護する人が少なくないのはなぜでしょうね。

 

確かにその人が体罰を受けた恩師はいい人だったのかもしれません。

 

でもそれはその教師の人格の話であり『体罰』そのものが肯定されることとは別のことです。

 

 

「体罰が歴史的に続いてきた日本の教育方針だったからしかたないんじゃない?」って思うでしょ?

 

実は戦時中に教育を受けてきた人たちは、

それまでの日本の伝統的教育とまるで違う教育を受けているんです。

 

軍隊の指導を取り入れた「軍隊式教育」とでもいうのでしょうか。

 

先に言っておきますが私に右翼とか左翼とかの政治的スペクトルはありません。

 

この話は単なる歴史的な背景です

 

 

さて当時の文部大臣、森有礼が1885年に始めた教育改革...


そこには後のラジオ体操にもつながる『兵式体操』の学校への導入だったり、

運動会や体育の授業での『前へならえ』『整列行進』

そして暴力で上下関係を叩き込む「教育現場の軍隊化」がありました。

 

詰襟の学生服もそうです。

 

1879年に学習院が海軍の制服をモデルに採用したのが、

今でも中学・高校で使われている学ランです。

 

この「教育現場の軍隊化」が今の爺さんたちの身体に染み込んでいて、

ブラック校則を変えられず体罰教師を本気で処罰できずに見逃してきたのでしょう。

 

昔自分が叩き込まれた教育方針を全否定することができなくて、

体罰に対する許容性を変えることができないのです😮‍💨

 

 

 

そして軍隊化がいまだに根強く残っているのが、

スポーツと学校、そして警察など指導と上下関係が重要視される世界です。

 

ドッグトレーニングの世界でも、

どれほど体罰が非倫理的で、狙った通りに効果が出ず、犬との信頼関係を崩してしまうと説明しても体罰トレーニングはなくなりません。

 

『教育』『上下関係』『警察』というキーワードでピンときませんか?

 

 

警察犬訓練所ですよ!

 

 

警察犬訓練所が軍隊式を手放せず、体罰訓練を日本のドッグトレーニングのスタンダードにしてしまっているんです。

 

世界のドッグトレーニングは今や行動分析学をベースに行われ、

動物園での動物に対する医療行為を麻酔なしで行えるよう協力してもらう『ハズバンダリー トレーニング』も古典的条件づけをベースに行っている現代に警察犬訓練所は頑として軍隊式を止めません。

 

「体罰を続けていると脳が萎縮してしまうんですよ」と警告してもダメです。

 

 

 

もう8年も前に日本行動分析学会「体罰」に反対する声明を発表し、

人間だけでなく動物に対しても

「体罰は教育に使っても効果的でなく、副次的な悪影響が起きる可能性があり、

もっと効果的な方法があるのでやめときなさいよ」と声明を出しているんですけどね...

 

行動分析学とは「人間を含めた動物全般を対象として、行動の原理が実際にどう働くかを研究する学問」です。
 
日本行動分析学会は政治的なスペクトルも他の団体との利害関係も一切ない、
心理学を研究している学術的な団体です。

 

どうしたら頭の古い、体罰に凝り固まった爺さんたちを一掃できるんでしょうね...😮‍💨

 

 

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