実験用ビーグル犬という商品 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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みなさんは実験用ビーグル犬という言葉を聞いた事がありますか?

 

「聞いたことはあるけど昔の話でしょ?」

 

「外国の製薬会社が実験に使ってる犬でしょ?」

 

そのくらいの認識だと思うのですが、

実は現在も日本で企業が繁殖させ訓練し獣医大学や製薬会社、化粧品会社等に多数販売され

手術実習研究、薬品開発のための生体実験などに使われているんです...

 

多くの非難や嘆願により大学や研究施設では生体実験を減らす試みはされているようですが、

今でも実習や実験のために数多くのビーグル犬が繁殖させられ、

苦しめられても従順に従い吠えないように訓練されたビーグル犬たちが出荷されていきます。

 

なぜビーグル犬が選ばれるのか不思議ですよね?

 

ビーグルは遺伝的に安定しているため比較実験のために好ましい

健康で同じ大きさの個体を繁殖させやすく

性格が穏便で苦しめても反抗してこないなど

実験者に好都合な条件が多いからだそうです😞

 

ビーグル愛好家にとってはハラワタが煮える話でしょうがそれが事実です...

 

 

日本で有名な実験用ビーグル犬繁殖・販売会社は、

北山ラベス(オリエンタル酵母(株)の子会社)と日本農産工業ですが、

北山ラベスは実験用ビーグル犬を年間3000頭以上繁殖販売していること、

「声を出さないようにもできます」などと広報していることなどがネット上で炎上し現在はホームページを非公開にしています。

 

1社で3000頭ですから日本全体でどれほど多くの実験用ビーグルが繁殖させられ、

商品として売られているのか空恐ろしくなりますね😰

 

<大分県にある北山ラペスの巨大な実験用ビーグル犬繁殖施設>

 

それ以外にも海外で繁殖されたビーグルを輸入し販売だけしている企業もあります。

https://www.marshallbiojp.com/companyabstract

 

 

もちろんビーグル犬だけでなくラブラドールやマウスなどの実験用動物も繁殖・販売していますが...😞

 

 

 

そしてこれは2022年5月に動物の倫理的扱いを求める人々の会 PETA

アメリカのエンヴィーゴ(Envigo)社が所有する

実験用ビーグル繁殖施設の劣悪な環境下で飼育されていたビーグル犬たちの

惨状を暴露した映像です。

 

この後150頭のビーグル犬が押収され、エンヴィーゴ社は裁判所から一時営業停止を命じられました。

 

その後2022年7月にはHomeward Trails Animal Rescueという保護団体が、

エンヴィーゴ社から4000頭の実験用ビーグル犬を救出した事が話題となりました。

 

過去2年間の連邦政府による施設の検査によれば、

エンヴィーゴ社は犬たちの世話を怠り、糞と腐った餌が積み重なったケージに入れられたビーグルたちの中には、栄養失調や傷病をもっていた個体もいました。

更には2021年の1月から7月の間に300頭以上の子犬が施設で死亡したことも判明しました。

 

 

(実験後殺処分予定だったところを救出されるビーグルたち)

 

 

米国地方裁判所はエンヴィーゴ社に対し里親探しの手続き費用として

1頭あたり100ドルをシェルターに支払い、8週齢未満の子犬たちの世話費用として

1頭あたり150ドルを支払うことを要求しました。

 

それらを使っても歯も磨いてもらっていなかったビーグルたちの歯科治療費にも足りないと報告が出ています😞

 

 

こういう話をすると必ず、

「でも実験動物の犠牲によって今の医薬品や医学の進歩があるのだからしょうがないだろ」とか、

「それじゃお前は実験動物の犠牲でできた薬や療法を使わないんだな!」などと、言い出す人たちがいますが、論点がずれています。

 

畜産動物にも言えることですが、実験動物繁殖販売企業は

 

①繁殖・飼育・移動過程ではできるかぎり動物福祉を考えた扱いをする。

 

②充分なスペースと運動ができる温度管理が可能な環境を規定する。

 

③栄養を考えた食事と給水、適切な健康管理を行う。

 

④屠殺方法も苦痛が少なく短い人道的な手段を義務づける。

 

⑤従業員に虐待されないよう監視管理を行う。

 

⑥余った実験動物の安楽死を減らすため前年度の販売数以上の繁殖を制限する、

 

⑦民間団体の視察を随時受け入れる。

 

こういったことがまずは努力目標ではなく

法によって規制されるべきだと言っているのです。

 

そして、利用している側も可能な限り実験動物を使わないで済む代替方法

(手術実習などでは精巧な模型を使って代替している大学は数多くあります)に切り替え、

実験に使う場合も行政で監査・管理を厳しく行い、

実験に使う回数や期間などに制限を設け、

その後の健康回復や里親探しを義務付けるべきだと思います。

 

 

 

こういった法改正には必ず実験動物を使っている企業や大学、そして販売している企業やその親会社から大きな圧力が政治にかかってうやむやにされたり抜け穴を作られてしまいますが、

みなさん一人一人が選挙の際に『動物福祉』を旗印にしている政党や候補者を選ぶことで、

徐々に変わっていくはずです。

 

ぜひこういった事実を多くの人にお伝えください🙏😞

 

それだけでも積もり積もって大きな力になっていきます...

 

最後にトルストイの名言を残したいと思います。

 

他者の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない。


他者の幸福の中にこそ、自分の幸福もあるのだ...