怒鳴ったり体罰を与えたりしてはいけない理由 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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「子犬が甘噛みをして困っています。 どうしたら止めさせられますか?」

 

こういうよくある相談に対して、

古いタイプの訓練士やトレーナーは「咬んだらゲンコツを口に押し込んでやりなさい」とか、

「咬んだら厳しく叱ってサークルの中に入れて当分放置してください」などと答えていました。

 

ある行動をすると罰が与えられる(嫌なことがおきる)からその行動をしなくなるという理屈です。

 

確かにそれは応用行動分析学的には、

その行動をしたら嫌なことがあったのでしなくなる『正の弱化』となり、

理論的には効果があるかもしれません。

 

でも、やってみれば分かりますが、

子犬たちはすぐに学習して罰を回避する方法を考え出すか、

飼い主さんを信頼しなくなり人の手を避けるようになります。

 

サークルに入れようとすると逃げ回って追いかけっこ遊びに変えるとか...

 

 

 

一方で、遊んでいる時に手を甘噛みしてきたら笑顔を消して手を上げ、10〜20秒ほど遊びを止める。

 

子犬が落ち着いたらまた遊び始める。

 

これを根気よくやり続けたらどうでしょう?

 

人間側がこのルールを決して曲げないで続けていれば、

子犬も噛み付いたら楽しい遊びが中断してもどがしい思いをすると学習し、

噛み付かずに遊ぶことを選ぶようになるでしょう。

 

応用行動分析学的には、

その行動をしたら良いことがなくなったのでしなくなる『負の弱化』となります。

 

そしてこちらの方が犬にとってわかりやすく恐怖感や痛みがないので、

受け入れやすい対応と言えるでしょう。

 

ドッグトレーニングが『アメとムチ』ではなく『アメとアメなし』であると言っているのはそういうことです。

 

体罰や怒鳴りのような強すぎる嫌悪刺激に対し、

犬には反省ではなく飼い主に対する不信感や恐怖心が芽生えます。

 

そして元の行動を止めるよりどうしたらその攻撃を回避できるかを考えるようになってしまう可能性の方が大きいのです。

 

特に子犬の頃は飼い主との間に確固たる信頼関係が築けていませんので、

恐怖心を感じさせてはいけません。

 

飼い主は子犬の心のよりどころでなくてはいけません。

 

常にどうしたら叱らずに正解を教えられるかを考えて接してください。

 

かといってやって欲しくないことをしたときにまで笑顔で甘い声で対応してはいけませんよ。

 

やって欲しくないことをしたときには、

まじめな表情で「やめて」とか「いけないよ」と淡々と伝えてその行動を止めるまで根気よく待たなければいけません。

 

こういう凛としたそして感情的にならない対応を一貫して根気強く続けることこそ、ドッグトレーニングの基本なのです...