パック ウォークの不思議な効果 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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皆さんは愛犬をほかの犬にもっと慣らしたいとか、お散歩中によその犬と会っても静かにスルーしてほしいとか思ったことはないですか?

 

ほかの犬に慣らすならドッグランに連れて行けばいいと思うかもしれませんが、

閉ざされたスペースの中でノーリードの見知らぬ犬たちの中にいきなり愛犬を放り込むのはどうでしょう?

 

ドッグランにはとにかく新入りをシメようとする犬もいますし、

多くの犬たちが集まってきて「危険はないか?」「性別は?」「年齢は?」などの情報収集をされるので結構なストレスです。

 

パピーライセンスを持っている時期なら成犬たちも比較的優しく対応してくれますが、

生後6ヶ月を越えている犬にドッグランデビューはかなりリスキーですし、

場合によっては咬まれたりして大きなトラウマを作ってしまうかもしれません...

 

そこでお勧めしたいのがパック ウォーク(パック ウォーキング)というトレーニングです。

 

 

 

①パック ウォークとは

 

要は何組か犬連れが集まって一つの『群れ』(パック)となって、ただ歩き続けるというお散歩トレーニングです。

 

まぁ、ただのお散歩ではないですけどね。

 

普通はドッグトレーナー(インストラクター)が一緒に歩いて、アドバイスしたりムードを作ったりします。

 

「それで何が変わるっていうの?」

 

って思うでしょ?

 

飼い主にとっては「それがなんなの」なんですよ。

 

特にリードさばきを教わるわけでも、吠えをやめさせるとっておきのテクニックを教えてもらえるわけでもないですしね。

 

愛犬の変化に気づかない人にとってはただのお散歩会にしか感じられないでしょうね。

 

でも犬たちにとっては「素晴らしい体験」なんです。

 

他の犬と一緒に歩くことによって一体感が生まれ、仲間意識が芽生えてくるのでしょう。

 

最初は警戒して唸り合っていた犬たちが、

いつの間にかお互いにあまり気にしなくなり、帰る頃にはかなり近い距離で歩いていても平気になります。

 

下の動画はタンタンを含め、初めて会ったときは吠え合っていた犬たちが、

パック ウォーク後はこんな至近距離を全く意識せずに歩いている様子です。

 

音声を出すと飼い主さんたちが驚いている様子が分かると思います。

 

 

 

 

これは私の推測なのですが、犬はそもそも群れの動物ですから一緒に歩くことによって『群れの一員である安心感』『群れで行動する喜び』を感じとるのではないかと...

 

そこに他の犬たちとの関わり方や警戒心のコントロールの『学び』『気づき』があるのでしょう。

 

 

 

②パック ウォークの効用

 

パック ウォークを何度か経験していくと普段のお散歩中に見知らぬ犬と会っても、

「なんだか危険そうなやつが来るから警戒吠えしておこう」とか、

「あいつこっちを直視してくるから一発こっちからかましてやろう」とかといったネガティブな先入観を持つことなく、

「あの子はどんな子かな?」「もしかしたら仲良くなれるかな?」というように、他の犬との関係にポジティブな印象を持てるようになってくるように思います。

 

カーミングシグナルを見せる余裕ができ、

相手もカーミングシグナルを見せてくれたときの喜びや安心感、

相手にお尻の匂いを嗅がせてやるくらいの器の大きさ...

 

もちろんその犬の性格や個性にも寄りますがそんな方向に向いていくと思います。

 

 

 

 

③パック ウォークの注意事項

 

最初から犬たちを近づけすぎたり、挨拶させたりすることは極力避けます。

 

ソーシャルデシスタンスをとって犬たちに余計な緊張感を持たせないようにします。

 

攻撃性の改善を目的に参加する場合はマズルガードを着用させて危険を防止しましょう。

 

事故が起きたら開催主のトレーナーさんにご迷惑がかかりますし、

初対面でケンカしてしまうとパック ウォークが終わっても後をひくかもしれませんので...

 

パック ウォークは飼い主さんたちが楽しくおしゃべりをしながら歩く会ではなくて、

犬たちがひとつの群れとしての連帯感を感じとるためのトレーニングですから、

始まったら犬たちの様子に集中し、

余計なおしゃべりは極力控え、

休憩時間やパックウォークが終わった後のお茶のときまで我慢します。

 

犬は相手の犬と飼い主を一つのパックと感じているので、相手の飼い主さんからおやつをもらうと一緒にいる犬にまで好意を感じやすいです。

 

そこで、おやつを与え合うのはとても良いコミュニケーションにはなるのですが、

アレルギーがある犬もダイエット中の犬もいますからお互い気を遣って、

充分確認しながら投げて与えるといいでしょう。

(手で与えると犬同士が近づきすぎますので)

 

まぁ、おやつに関しては開催者のトレーナーさんがルールを作っているでしょうから、

予め確認しておいてください。

 

 

④参加する前にまず勉強しておくべきこと

 

そのパック ウォークを開催するトレーナーさんによって、トレーニング方針が違います。

 

ただ、ワイワイとおしゃべりしながら一緒にお散歩するという会をパック ウォークとよんでいる場合もありますし、逆に短いリードにハーフチョークで参加することが必須で規律正しく脚側行進を行うトレーニングだったというケースもあります。

 

行ってみたらまるで肌に合わなかったというようなことがありますので、事前にそのトレーナーさんのブログや本を読んで納得してから参加した方がいいと思います。

 

できれば初回は愛犬抜きで自分だけで参加し、トレーナーさんについて歩きながら、

学んだほうがいいと思います。

 

初回から愛犬同伴だと何が何だかわからないうちに終わって、

どこがポイントだったかや愛犬の変化にも気づかないでしょうからね😅

 

私も3回目で初めてタンタンを連れて行きました。

 

 

 

いかがでしょう?

 

お散歩中に他の犬と出会うことを恐れて早朝でないとお散歩できないとか、

土日は犬連れが多いので連れて出かけられないなど、

犬同士のコミュニケーションで悩んでいらっしゃる方、

保護犬を迎えたのだけどうまくお散歩できないなどの問題で困っていらっしゃる方は、

パック ウォークを開催している応用行動分析学ベースのトレーナーさんに一度相談してみては?