生後2~3カ月くらいの子犬を受け入れて、
本当に最初に必要な事は何かと言えば、
飼い主と子犬の間の「絆」作りと環境への慣れではないでしょうか?
親犬から離され、見知らぬ環境に来た子犬にとって、
新しい家族と家は決して安心できるところではありません。
常に「人間はあなたを傷つけないんだよ…」
「家族はみんなあなたの味方よ」
ということを示し続け、
決して怒鳴ったり叩いたり無理やりひっくり返したり
痛い思いをさせたりするべきではありません。
不安な気持ちにならないように、
できるだけ一緒にいてやるべきですし、
粗相をしても甘噛みしても叱る必要はありません。
吠えたらなだめて落ち着かせる練習をします。
社会化のために抱っこして外に出て、
いろんなものを見て、聞いて、匂いを嗅いで
飼い主さんと一緒なら何も怖がらなくていいんだと感じてもらいます。
「要求吠えが直りません。どうしたら直りますか?」
「甘噛みがひどくて困っています。どうしたら直りますか?」
「トイレを覚えません。どうしたら覚えますか?」
「言うことを聞きません。どうしたらいいですか?」
などと具体的な問題の対処法だけ聞いて即効性のある方法だけ
とりあえず試したいと思ってしまう気持ちはわかります…
でも、それらの問題行動(人間から見た)は実際はそれほど大きな問題ではなく、
飼い主さんとの関係が良好であれば、消去していくことは可能ですし、
この手の行動はえてして成犬になるにつれて自然に消えていくものです。
むしろそこいらのしつけ書に書いてあるような乱暴な対症療法で、
飼い主さんとの関係を悪化させてしまうケースが危険なのです。
うわべだけ直ったように見えて、誰も見ていなければ前と変わらない。
むしろ酷くなることも少なくありません。
犬と人との間に『主従関係』など必要ないんです!
今困っていることをすぐに解決したい気持ちを抑えて、犬たちがなぜそういう行動をするようになったのか、何を求めているのかを理解することから学び始めてください。
時間をかけて、正解を示し、少しづつ望ましい行動に近づけていくことこそが解決の最短距離なのだということをまず理解すべきなのです…
かといって、しつけ上あれはしちゃいけない!これはしちゃいけない!ってあまり神経質になりすぎる必要はないんですよ。
イギリスの精神分析学者で児童精神科医のドナルド・ウィニコット博士は、
人間の母親に関して『ほどよい母親』(good enough mother)という概念を考え出しました。
幼児に関心を向けられない母親、過度に没頭する母親といった両極端の者は、
その後不適合を重ねて育児に行き詰まってしまうという研究結果から、
完璧とはいえない母親の子のほうが、子どもはまずまず正常に育つという学説です。
犬との暮らしの中でもあまり神経質になりすぎず『ほどよい飼い主』『ほどよい飼育』を継続することで行き詰まりは防げます。
ほどよい飼い主でいいんです…
大らかに受け止めて、安心できる リラックスできる家庭が一番。
まずは、愛犬に信頼してもらうこと
そして犬が自分の名前を好きになること
すべてはそこからです…
叱るよりまず拭け!↓