キシリトールの恐ろしさ | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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皆さんはキシリトールがどれほど犬や猫にとって猛毒であるか

ご存知でしょうか...?

 

2018年10月にロンドンに住むンビズラのルビーは、

チョコレートブラウニーを2個食べた36時間後に中毒症状に陥り、

医療費に140万円超を費やしたにも関わらず8日後に亡くなりました。

 

チョコレートが悪かったのだろうと思う方もいらっしゃるでしょうが、

チョコレートの場合は含まれる「テオブロミン」の量にもよりますが、

体重1kgあたり25gほど食べると危険と言われており、

体重5kgの犬ならば125gくらい食べなければ緊急に重篤な症状にはなりません。

 

板チョコ丸々2枚半です。

 

まずこんなにチョコレートを放置することはないでしょうし、

一般家庭でチョコレートを食べて亡くなった犬の話は聞いたことがありません。

 

 

実はそのチョコレートブラウニーには甘味料として、

キシリトールが使われていたのです...

 

 

キシリトールの場合は犬の体重1kgあたり0.1g摂取するだけで
重篤な症状が起きる可能性があります。


ロッテのXYLITOLライムミントのキシリトール含有量は1粒あたり0.643g。

つまりキシリトールガムを6㎏以下の犬が1粒食べるだけでも、

インスリンが尋常じゃなく分泌され、

低血糖を起こし、無治療のままだと死ぬ恐れがあります。

 

 

人間はキシリトールを摂取しても、

インスリンが大量に分泌されることはありませんので、

低血糖になることはありません。

 

しかしなぜか犬や猫はキシリトールで低血糖症を起こします。


低血糖症というものは放っておくと肝不全を起こし、

死に至る重篤な状態なんです...

 

 

家庭でローテーブルの上にキシリトールガムのケースを放置したり、

口に入れようとして落としたりしたものを一粒食べてしまっただけでも危険です。

 

(むしろ犬や猫を飼っているならキシリトールガムは家庭に持ち込まないくらいの注意が必要です)


まだ、お散歩中に落ちている粒ガムを食べてしまうケースにもご注意ください。

(食べてしまったらすぐ動物病院に連れて行ってください)

 

キシリトールはガムや歯磨き剤だけでなく、
甘味料として様々な加工食品や飲料に使われています。


特に海外の加工食品・菓子・ピーナッツバターなどにも気をつけてください...

 

 

こういう話をすると「要は人間の食べ物を犬猫に与えてはダメってことでしょ?」

締めくくってしまう人がなぜか多いのですが、

そういう安易な方向へ流されずに、

『犬に何をどれくらい与えたらなぜ危険か』を具体的に知って欲しいと思います。

 

さもないと自分の愛犬が自分以外の家族や知り合いの無知で食べてしまった時、

どのくらい状況が危険かが分からずむやみにパニクったり、

緊急さに気づかず「明日の朝になったら病院に連れて行こう」などと、

軽く考えて治療が遅れてしまうことになります...

 

チョコレートを食べた、ネギを食べたなどの時は、

食べた状況が見て取れるので動物病院に連れて行った時も

何を食べたか説明ができるでしょうが、

キシリトールの害を知らないと、お父さんがローテーブルに置いておいた

粒ガムを1粒食べたことが原因などとは夢にも思わないでしょうから、

獣医さんに原因を伝えることもできず対処が遅れて重篤な状態になる

可能性も高いわけです。

 

 

ちなみにキシリトールはイチゴにも含まれているのですが、

イチゴに含まれるキシリトールは、
100gあたり生で40mg(乾燥質量なら362mg)ですので、
10kgの犬なら2.5kg、5kgの犬なら1.25kg食べなければ、
重篤な影響はないと思われます。


つまり大粒のイチゴが一粒33gくらいなので、
10kgの犬で75個食べなきゃ大丈夫です😅

 

むしろイチゴはビタミンC豊富で、

(尋常じゃないほど与えなければ)好ましい食材と言えるでしょう。