犬はどのように学ぶか? | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

最新のドッグトレーニングと犬猫に関する情報
動物保護のお話など

 

犬が物事を学習していく方法は大きく分けて3つあることが分かっています。

 

1つ目は模倣学習

 

犬が他の犬や人間の行動を見て真似することから学ぶ方法です。

例えばドッグランで他の犬が水を器からではなく水道の蛇口から直接飲んでいるのを見て、

それが美味しそうだなと思えば自分もやってみます。

 

他の犬とその飼い主さんがボール遊びを楽しそうにやっていると、

自分もボールを咥えて持ってきて渡すという行動を覚えます。

 

同様に犬語とと言われるボディー ランゲージも、

模倣から学習しているのではないかと考えられています。

(生得的に分かっているという説もあります)

 

また近年では"Do as I do"という、人間がやった行動を真似させるトレーニング方法も、

行われていますね😉

 

 

 

 

2つ目はオペラント条件づけ

オペラント条件づけには基本として4つのパターンがあります。

 

・正の強化 

 ある行動をしたら良いことがあったのでその行動が増えること。

 (おすわりをしたらおやつがもらえたので、自発的におすわりするようになったなど)

 

・正の弱化 

 ある行動をしたら嫌なことがあったのでその行動が減ること。

 (ワンワン吠えたら大きな声で叱られたので、吠えなくなったなど)

 

・負の強化 

 ある行動をしたら嫌なことがなくなったのでその行動が増えること。

 (知らない人が家に宅配便を持ってきたが、吠えていたらすぐに帰ったので、次からも宅配便が来たら吠えるようになったなど)

 

・負の弱化 

 ある行動をしたら良いことがなくなったのでその行動が減ること。

 (遊んでいる最中に飼い主を噛んだら遊んでもらえなくなったので、噛まなくなったなど)

 

『正』と『負』とはなんらかの刺激が加えられるか消失するかを示し、

『強化』と『弱化』とは行動の頻度が増すか減るかを示しています。

 

 

 

 

3つ目は古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)

 

古典的条件づけは『パブロフの犬』で有名な条件付けで、

『エサがもらえる→よだれが出る』という生理的反応(無条件刺激)に対し、

『メトロノームの音を聞かせる→その直後にエサがもらえる』という対提示(ついていじ)を、

継続して行なっていると、最初は何の反応も引き起こさなかった刺激に、

生理学的な反射や感情反応の生成がなされ、

『メトロノームの音を聞かせる→よだれが出る』という条件づけが出来上がります。

 

これは、『トラックがくる』→『大きな音と振動で怖い』→『心臓がドキドキする』から

『トラックがくる』→『心臓がドキドキする』のように、

無作為に条件づけされてしまうこともありますし、

『名前が呼ばれる』→『続けておやつがもらえる』→『嬉しい』から、

『名前が呼ばれる』→『嬉しい』のように作為的に条件づけすることもできます。

 

 

古典的条件づけはオペラント条件づけと違って、

ふたつの刺激がほぼ同時(若干の時差をつけますが)に提示されることによって、

意味を持たなかった刺激(中性刺激)に良い意味や嫌な意味を与える効果を持っています。

 

2つ目と3つ目はちょっと難しいかもしれませんが、

これらの条件づけを上手く使えば、

犬に無理なく様々なことを学習してもらうことが可能になります。

 

このような条件づけを使って

動物園では野生動物にもストレスなくケアや治療を行うことが

近年の主流となってきています。(ハズバンダリー トレーニング)

 

それはもちろん家庭でも愛犬・愛猫・愛鳥にも使えます。

 

クリッカーという道具を使うのが一般的です。

 

皆さんも是非トライしてみてください!😉