動物愛護法では虐待を裁けない理由 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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日本にはあちこちに犬の訓練所というところがあります。

 

子犬についての知識を飼い主に教え、

『スワレ』『マテ』『コイ』『フセ』などの基本コマンドに加え、

脚側歩行など(通称『オビディエンス トレーニング』)を子犬に教える、

ドッグスクール子犬しつけ教室はまだいいのですが...

 

 

 

「犬が言うことを聞かない」「アマガミがひどい」「吠えが止められない」など、

いわゆる問題行動に悩んだ飼い主さんがネットで検索し、

たどり着くのが問題行動を直すための『しつけDVD』です。

 

ところがこれらのDVDは訓練士たちにとって単なる集客のエサにすぎず、

購入した飼い主さんからの問い合わせを待って、

「近くに行くついでがあるので、無料で見てあげましょうか?」などと、

親切そうに提案します。

 

でも、一度家に入れたが最後、

「この犬は100頭に1頭の問題犬です! 放っておいたら殺処分するしかなくなりますよ!」

などと脅し、『預託』(訓練所に2週間から3ヶ月程度預けて訓練する)を薦めてきます。

 

しかし彼らの言う訓練とはそんな生易しいものではありません。

 

子犬の首に身体が吹っ飛ぶほどのリードショックを与えた後、

5分間よーしよーしと撫で続け、またリードショックを与えるを繰り返す、

『飴と鞭』と言われる手法や、それでも反抗的な態度をとったら、

チョークカラーの付いた鎖で首吊りをする『吊り上げ』などが行われます。

 

 

 

チョークカラーで首を締め上げることは警察犬訓練所などでもよく行われますが、

頸椎を損傷し、脳にダメージを与え、眼球をとび出させ、舌骨を折ってしまう可能性が高い危険な暴力です。

 

 

 

 

この犬は数年前に島根県にある警察犬訓練所に数日預託したところ、

左眼球が飛び出し、それでも獣医師に見せずに放置したため失明してしまいました。

 

 

「そんなことするなんてよほど凶暴な犬にだけでしょ?」

 

そう思うでしょ?

 

でも、あなたの預けた愛犬が訓練士に不信感を抱き、唸ったり歯を当てたりしたらその子はその『よほど凶暴な犬』にされてしまうんですよ。

 

そして、訓練所はこのような暴力によって怪我をしたことに対する責任を認めないことが多く、

裁判で勝ったとしても治療費を支払う程度の賠償責任しかありません。

 

訓練のためにやったことだと言われれば、

動物愛護法における『虐待』を立証するのは難しく、

刑事的には無罪、民事的にも器物破損程度の問題にしかなりません。

 

動物愛護管理法第44条の

 

1 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。

2 愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

『みだりに』に抵触しないという判断がなされる可能性が高いからです。

 

法律用語の『みだりに』とは『不必要に』という意味になります。

 

『しつけ』『訓練』『トレーニング』のためだと言えば『必要だった』という正当性を否定するのが難しいからです😞

 

 

そういうことを連中も知っているので涼しい顔でいつもの弁護士に頼むだけです。

どんなにお金と時間をかけて虐待の事実を証拠として提出しても、法的に営業停止に追い込むことなどできず、翌日からもニッコリ笑顔で普通に営業しています...😠

 

 

ですから安易に「訓練所に預けるの~」などと言ってる方に知らせて欲しいと思います。

 

 

犬に人権はありません

 

 

飼い主さんから見れば恐ろしい犯行に見えても検事にとってはたかが犬のこと。

人間の事件で忙しいのに犬猫の事件で貴重な時間を刑事裁判に使いたくありません。

 

大抵は起訴猶予になって終わりです。

 

世間で大きなニュースになって起訴しないと非難されるレベルになると、

やっと裁判が行われますが、大抵懲役刑にはならず軽い罰金か執行猶予がつきます。

 

民事訴訟の裁判に勝っても大した賠償はなされません。

 

 

 

『預ける』ということは犬にとって飼い主さんという唯一の保護下から離れ、

家族ではなく『モノ』として扱われるということなのです...

 

訓練所は暴力で犬が死んでしまったら庭に穴を掘って埋め、

「すみません、気づいたら脱走してしまっていて現在捜索中です」などと言えば

済むことなのです。

 

 

警察は『失踪』ではなく『紛失』としか扱ってくれません...

 

紛失したものを探すために警察が積極的に何日間も調査してくれると思いますか?

 

 

基本、ドッグトレーニングは自分が見ていられるところでだけ受けてください。

 

預ける場所はサロンでもスクールでもガラス張りで、誰からも見えるところを選んでください。

 

次に行った時愛犬が怯えたような態度(尻尾を股の間に挟んだりあなたから離れようとしなかったり)をしたときは要注意です!

 

言葉が話せない愛犬の心の声を汲み取ってください。

 

愛する家族を笑顔の悪魔に預けないでください...