エグチという名の犬 | タンタンとパパの子犬の社会化ブログ

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私がいつも行っていた保護犬一時預かり兼ドッグカフェに、

『エグチ』という名のトイプードルとマルチーズのミックス犬がいました。

 

べつに『江口』という苗字ではないんです。

 

最初の飼い主さんがマクドナルドのエッグチーズバーガーを、

とっても好きだったから『エグチ』とつけたそうです。

 

 

エグチはもともと若い女性に飼われていたのですが、

その女性はある男性と付き合い出し、彼のマンションに一緒に住むことになり、

エグチもそのマンションに住んでいました。

 

しかし、そのカップルはあるきっかけで別れることになり、

彼女は子犬のエグチを彼の元に置き去りにしたまま出て行ってしまいました...

 

その後、彼には新しい彼女ができてまたそのマンションで同棲が始まったのですが、

ケンカの末こんどはその彼がエグチを置き去りにして、

マンションを出て行ってしまったのです。

 

一人と一頭で住むにはそのマンションは広く家賃も高すぎるため、

彼女はその部屋を出て小さなペット可物件を探すことにしました。

 

ただ、「その物件を探す間だけエグチを預かってもらえないか」と、

人伝てに保護犬カフェの噂を聞いた女性はエグチを連れてきたのでした。

 

保護犬カフェの女性オーナーさんはその女性に同情し、

2週間程度という約束で預かることにしました。

 

 

エグチはそんな境遇で育ったにも関わらず、とても人懐っこく陽気な犬でした。

 

ただ、えらく痩せていたので話を聞くと1日1回しかドッグフードを与えられておらず、

彼女は犬についてあまりにも知識が乏しかったのでそれでいいと思い込んでいたのです。

 

すぐに何頭も犬たちが一緒に住んでいるカフェの環境にも慣れ、体重も順調に増えたエグチでしたが、預けて行った女性は2週間経ってもエグチを迎えにきませんでした。

 

オーナーさんが彼女に何度かLINEで連絡してもなかなか返事をくれず、

やっと話ができたときも彼女は「まだ物件がみつからないのでもう少し預かってくれ」

言うだけでエグチの様子も聞こうとしません。

 

それからその女性は電話をしても出なくなり、留守電を残しても折り返しかけてもこなくなりました...

 

 

 

そして1年ちかく経ったある日彼女から連絡がありました。

 

「やっとペット可マンションが見つかって契約したのでエグチを迎えに行く」と...

 

あまりの無責任で無礼な態度にエグチをそのまま返すことに不安を感じたオーナーさんは、

「今までなんで連絡をくれなかったんですか? 一度事情をきちんと話しに来てください。 今まで預かった費用も本当ならかなりの額になりますよ」

と伝えたところ、その女性は急に感情的になり「弁護士に相談するから待っていろ」と言って電話を切ったそうです。

 

そしてそれ以来また音信不通になってしまったのでした。

 

 

それから3年後...

飼い主だった女性はそれ以来何も連絡してきませんでした。

 

オーナーさんは弁護士と相談してもはや前の飼い主は所有権を放棄したと考えていいと判断し、自分のうちの子として登録し直しました。

 

エグチが3度目のおきざりでたどり着いたドッグカフェは、

ついにたくさんの仲間がいる素敵な我が家となったのです。

 

 

陽気なエグチは人気者です!

 

カフェは昨年閉店しオーナーさん家族と犬たちはもっと広々とした場所を見つけて移転していきましたが、それまでエグチは看板犬の一頭として訪れるお客さんたちを和ませてくれていたのでした。

 

 

 

 

よかったね、エグチ...😃