YMO - 1000 Knives (Budokan 1980) | tindrumのキモチ

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逆らえない衝動のおともに







"『YMO - 1000 Knives (Budokan 1980)』  









『この人たちは、なんて懐が深いんだろう』




 
それが、そのときその瞬間に感じたこと。
 
 

それまでなにも知らずに【YMO】という音楽を聴いていて
何の情報もないまま1980/12/26の、その日に彼らを観た中学生。
 
拍手などできずに終始、ポカンと口をあけてそのステージを眺めていたのが未だに忘れられない。








『YMO ライオット・イン・ラゴス  Live集』







オープニングは、妙な音が会場中に響き渡ってナニが始まるのかわからないような空気に。

一緒に来ていた隣りの友達に聞くと

「チューニングしてるんだよ」と、今にして思えば
まったくの的外れな言葉にさえ


「なるほど、プロのミュージシャンで、シンセサイザーってチューニングが必要なんだ」
 
などと勝手に納得していた。

それほど

音楽に初心で無知だった。







『YMO 1000 KNIVES (Live 1980 World Tour Audio)』





そして
あっという間にエンディング。
 
そこまでの時間の感覚が無くなっていて、まだ30分くらいにしか思っていなかったのも事実。
テンポのいい「COSMIC SURFIN」が終わった後









会場が静まった中に、ホントに長く感じたシーケンスの音がループしていた。
Drum のフィルインで始まった曲は「1000 KNIVES」。


それほど坂本龍一のファンでもなかったはずのジブンが
この曲の旋律に高揚していたのがわかるほど感動したのは
 
それまで淡々と演奏していたメンバー6人全員が一斉に、腕を高く上げて
我々にアピールしたことだった。







『YMO in BUDOKAN 1980』









それまで


「日本の音楽産業は日本だけのもので
世界はまた、別の次元のもの」
 
と、勝手に思い込んでいた民衆に

「世界にも通用するんだ」

と言わんばかりのメッセージを感じ取れた
そんな「アピール」にも思えて身体が震えていたんだと思う。


 










ま、本人たちがどう思ってたかなんて知る由も無いが。