計測工房の得意な計測分野は2つあり、
1つが山岳レース、そしてもう1つが駅伝
ですが、本日は駅伝について書きます。
(冒頭写真は2020年の富士宮駅伝)
計測工房では駅伝の計測を年間に50大会
ぐらい受注しています。他の種目に比べて
駅伝の計測にはノウハウが必要です。
・タスキにICチップを装着しての計測
・当日のメンバー変更対応
・繰り上げスタート対応
などが駅伝ならではの要素になります。
駅伝はその主催者によって2つに大別でき、
さらにレース形態によっても2つに大別でき
ます。
<主催者による大別>
・競技団体が主催する大会
●●大学駅伝、●●高校駅伝、●●中学駅伝
・行政(自治体)が主催する大会
■■市駅伝、■■町駅伝、■■村駅伝
※他に社内駅伝、校内駅伝などもあり。
<レース形態による大別>
・ワンウェイコース(箱根駅伝など)
・周回コース(全国中学校駅伝など)
それぞれ計測する上での特徴は、
<主催者による大別>
・競技団体が主催する駅伝
日本陸連ルールに則して開催される公式
レースであり、公式ルールに基づいて実施
される。陸上競技ルールの理解が必要。
(例:東京都高校駅伝)
・行政(自治体)が主催する大会
草レースであり、ローカルレースであり、
日本陸連ルールを必ずしも順守しない。
その大会独自の運用が多々あり、計測
は、その大会に合わせることが必要。
※社内駅伝、校内駅伝もここに準じる。
(例:八潮市内一周駅伝)
<レース形態による大別>
・ワンウェイコース
中継所が複数あって、多地点計測となる。
スタッフ、機材といったリソースを多く要す
る。さらに公道を使うので交通規制の兼ね
合いから繰り上げスタートがあり、繰り上げ
スタートへの対応が必要。
(例:春の高校伊那駅伝)
・周回コース
1区からアンカーまで同じコースを繰り返し
走るため、全てのタスキ渡しは1ヵ所でおこ
なわれる。ワンウェイコースに比べるとリソ
ースは要しない。
同じチップが計測マットに何回反応したか
の回数で処理するので、イレギュラーな
動きへの対応が必要。
(例:三島成人式記念駅伝)
ざっと上記のような特徴があります。
計測工房は「あらゆる駅伝に対応できる
ノウハウ」が強みであり、その結果が年間
に50大会の駅伝の受注に繋がっています。
とりわけ、計測工房の特徴としては、
「ローカルルール、大会独自運用に合わせ
て対応できる」という点にあると思います。
これはシステム化だけでは万能に解決で
きず、ソフトやハードだけの問題ではなく、
ノウハウが重要になります。
計測工房はノウハウを強みとする計測
会社なので、ノウハウが求められる駅伝
の計測に合っているのだと思います。
(自己分析・自社分析)
ちなみに具体的な大会名は伏せますが、
駅伝で対応してきた事例を紹介します。
「ハンデタイム駅伝」
チームメンバーの年齢と性別に応じて
ハンデタイムが設けられて、純粋なグロス
タイムでの順位の他に、メンバーのハンデ
タイムを差し引いたネットタイムでも順位を
付ける。(かつ当日のメンバー変更によって
ハンデタイムは当日に変わるため、その
対応まで必要)
「トリムレース駅伝」
事前の自己申告タイムにどれだけ近い
タイムで走れるかを競うトリムマラソンと
いう概念が市民マラソン界にはあるが、
それの駅伝版。メンバー1人1人に事前の
自己申告タイムがあり、実際に走った
タイムとの差をチームメンバー全員分合算
してチームの順位を競う。
(つまり、チームとしてゴールした順番は
全く意味を持たない)
「チームをまたいだメンバー変更」
通常、当日のメンバー変更は補欠との
入れ替えのみ許容される大会が多いが、
同一団体で複数チーム参加の場合に
(■■中学野球部Aチーム、Bチームの
ような場合)、同一団体間では補欠の
共有ができるケース。
「繰り上げスタートが167チーム」
箱根駅伝では数校の大学が繰り上げスタ
ートになるが、なんと167チームが繰り上げ
スタートになる駅伝あり。
出走数は200チーム強で、実に7割のチーム
が繰り上げ。これだけの数の繰り上げスタ
ートの対応になると、正攻法では難しくて、
力技を駆使する必要あり。
「アンカーがフィニッシュしたのに途中走者
がまだ走っている」
11区間の駅伝で、繰り上げスタートが8区
から9区へのタスキ渡しでおこなわれるが、
最終11区のアンカーがフィニッシュしたのに、
そのチームの8区走者はまだ走っていると
いう珍現象発生。つまりアンカーが走り終わ
ったのにまだ順位が確定しないという現象。
「特定のチームだけ、走る人数が多い」
ここでは話題になりそうな事例だけを紹介
しましたが、草レース、ローカルレースでは
大会の数だけ細部は異なるといっても過言
ではありません。