昨日(2008/5/31)にニューヨークで開催された陸上のリーボック・グランプリ の男子100m
にて、ウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が9秒72の世界新記録を樹立しました!
これまでの世界記録は同じジャマイカのアサファ・パウエル選手が持っていた9秒74でした。
ボルト選手は、身長196センチの大型スプリンターで、ジュニア時代から頭角をあらわし、
200mのジュニア世界記録を持っていました。昨年の大阪世界陸上では200mで銀メダルでした。
まだ弱冠21歳の若さ。一躍、北京五輪の短距離の主役に躍り出たと言えるでしょう。
この日のレースで2位になったのが、昨年の大阪世界陸上で100m、200mの2冠となった
タイソン・ゲイ選手(アメリカ)でした。北京五輪では再び、ボルト選手vsゲイ選手の構図で
世界最速が争われるのでしょうか。
この日、世界記録を破られてしまったパウエル選手は今シーズンは故障で出遅れていますが、
五輪には参戦してきて、三つ巴の争いになるのでしょうか。
男子100mの世界記録は、1968年に9秒9台がマークされてから23年後の1991年に9秒8台に
突入しました。その8年後の1999年に9秒7台に突入しています。それから9年の2008年・・・。
いよいよ9秒72まで来て、そろそろ9秒6台の扉が開きそうですね。
余談ですが、男子200mの世界記録は1996年のアトランタ五輪で、マイケル・ジョンソン選手
(アメリカ)が出した19秒32です。これは当時、21世紀の記録を先取りしたとも言われるほどの
衝撃的な記録で、その後、12年間まったく破られる気配もありませんが、この200m19秒32を
半分にしてみると、100m9秒66になります。つまりマイケル・ジョンソン選手は、100m9秒66の
スピードで200mを走りきっているのです。今回のボルト選手の世界記録が9秒72ですから、
現在のところ、100mの世界記録よりも200mの世界記録のほうが絶対スピードは速いのです。
意外と知られていないかも知れませんが、よーく考えるとすごい事実だと思いませんか?