起業家とマネージャーと職人 | 計測工房社長・藤井拓也のブログ

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マラソン大会などのスポーツイベントのタイム計測のプロフェッショナル、株式会社 計測工房の社長である藤井拓也のブログ。

本日も所用でもろもろの外出でした。


起業をする、事業を起こすという行為は巨大なプラモデルのような気がしています。

様々なパーツを組み合わせて形を作っていくということです。もちろん最初に設計図がなければ

いけません。そして設計図を描けるのは起業家(社長)だけです。


いったん動き出してしまえば、後は「走りながら考える」しかありません。そういう意味でも、

起業を決意してから、動き出すまでの過渡期として個人事業主として過ごしてきた期間は良かったと

思っています。その過渡期はかなり最終局面に差し掛かっており、動き出す一歩手前ぐらいです。


2007年4月・・・様々な思案を統合していき、会社としての形をまとめる。

2007年5月・・・事務所の契約、法人としての登記など、事務的な準備開始。

2007年6月・・・実質的に会社として活動開始。


これから上記のような流れで進んでいきます。




本日読み終えた本、

「はじめの一歩を踏み出そう」

マイケル・E・ガーバーの「はじめの一歩を踏み出そう」です。

この本は、昨日のブログで触れましたがレオス・キャピタルワークス の代表取締役社長・藤野英人さんから

薦めていただいた本です。起業するなら読んでおくべきとのことでした。

本書では、

 起業したものの、会社の業績が低迷し、十分な収益を確保できない会社がいかに多いことか。

 それらは経営者の努力不足のせいではなく、努力の方法が間違っているからである。

という趣旨のもと、コンサルタントである著者が、若い起業家に教授していくという構成になっていました。

以下、心に残った部分。


・経営者は3つの分類に区分できる。

 というよりも、1人の経営者の内側には3つの人格が同居している。

  (1)起業家・・・変化を好む理想主義者。経営者の10%がこのタイプ。

  (2)マネージャー・・・管理が得意な現実主義者。経営者の20%がこのタイプ。

  (3)職人・・・手に職を持った個人主義者。経営者の70%がこのタイプ。

 これは誰もが3つの人格を持っているのであるが、そのバランスが取れている人は少なく、いずれかの

 タイプが傑出している経営者が多いというのが、上記のパーセンテージである。


・事業の幼年期は、オーナー(経営者)=事業である。すべての仕事をこなす職人的経営者はこれが全て。

 ただし仕事量が増えてくると、立ち行かなくなる。職人的経営者のままの人は、ここから先のステージには

 行けない。

事業が成長すると、経営者の管理能力を超える瞬間が必ずやってくる

一流企業は、無名の創業期の頃から一流企業になるべき経営がおこなわれている

・成功する事業とは、起業家とマネージャーと職人のそれぞれに持ち場があって、それぞれに強みを発揮

 できるようなバランスの取れたものである。

・フランチャイズ事業は、事業の試作モデルとして優れている。経営者の中の起業家とマネージャーと職人

 という3つの人格のバランスを学ぶには最適である。

・他の人に任せてもうまくいうような事業を作る。

・「イノベーション→数値化→マニュアル化」のサイクルを休むことなく続けることが事業の発展となる。

・人生の目的→事業の戦略的目標→組織図が導き出される。創業時から組織図は必要である。

 たとえ従業員が自分1人であっても。

仕事は人間の心を映し出す鏡である。仕事が粗雑な人間は内面も粗雑であり、退屈そうに仕事をしている

 人間は自分自身にも退屈している。つまらない仕事でも芸術家が手がければ芸術品になる。

・事業の中で言葉の持つ力はとても大きい。名前(社名、店名)、パンフレット、広告のキャッチコピー、

 従業員の研修などあらゆる場面で言葉が必要であるが、経営者の言葉は一貫していなければならない。

 なぜなら経営理念を中心に事業は組み立てられていくから。



私自身の実際の経歴からすると、職人(現場担当者)として6年、マネージャー(管理者)として2年半の

経験を積み、再びこの半年は職人(個人事業主)として活動しましたが、根底には起業家になって変化を

起こすんだという想いがありましたので、3つの人格のバランスという考え方は非常に参考になります。


起業家として会社を引っ張りながら、マネージャーとして組織を管理し、なおかつ職人として現場の最前線

で仕事をする1人3役は間違いなく、これからの創業期の私にも当てはまります。

私の中では、会社が大きくなっていった時に、どこまで職人としての自分を続けられるかが最大のテーマ

で、レオス・キャピタルワークスの藤野さんにその質問をしたところ、本書を紹介されたのでした。