香ばしい、熟成された、豊かで上品なにおい。

 

 

街の中の鰹節屋。

 

袋いっぱいに詰め込まれたふわふわの削りたてのかつお節。

 

きれいな螺旋の形がつぶれないように、そっと優しく抱える。

 

お味噌汁の中に溶けこんでも決して消えることはない。

 

ほのかに、だけど存在感のある、複雑な風味が入り混じった深いにおい。

 

 

丁寧に、時には急いで、だしを取る。

 

いずれにしてもほっとする。

 

 

時々、おつかいに行った場所の匂いの記憶は、慈愛。