音の記憶 2.落ち着いた、早くもなく遅くもない、目の前で聞くと歩みが自然に止まる。踏切。急いでいる時は焦るのに、何でもない時は気にしない。一秒でも早く、そんな時は踏切が降りる時間を逆算する。どこかに向かうのが億劫な時は、目の前で降りていく踏切に安堵する。夜、静寂の中では家の中からもかすかに聞こえる。今から電車が通り過ぎる。東から西。西から東。ここに踏切があったことを知る人はどれぐらいいるだろう。時折、カゲロウのように浮かぶ踏切の音の記憶は、哀愁。