低音から高音へ、

山なりにゆっくりと伸びわたる。


工場の鐘。



平日、夕方5時。

いつも同じ時間、同じボリューム。


枝で休む鳥も、

一斉に反応して飛び立つ。


10秒あるかないか。


いつしかそれが工場の業務終了の知らせだと知った。


私にとっては、

そろそろ家に帰るべき時間。


もう5時。


まだ5時。


街中の人のそれぞれの5時。


夜の訪れを知らせる合図。




今はもう鐘の音は響かない。



街に響き渡る工場の鐘の音は、

共有。