地図の要らない寄港地② 〜 メキシコ(パパントラ・フライヤーズ)〜 マヤの叡智を体感する | 喜多川リュウの『Life is Art』〜豪華客船コーディネーター

喜多川リュウの『Life is Art』〜豪華客船コーディネーター

週の半分を東京で、もう半分をで田舎で暮らしながら、
遊び半分、仕事半分に感じたこと、見つけたこと、
経験したことをつづっていきます。
還暦までに「やり残していること」にも挑戦していきます!

『皆様のなかで26歳、39歳、52歳のときに、人生の節目となるような出来事が起きたという方はいらっしゃいませんか?』

 

メキシコを旅しているときに、移動中のバスでわたしは必ずこの質問をする。

きょとんとして自分の過去を振り返るお客様…。

 

次の目的地に着くと、バスを降りたわたしに数人が近寄ってくる。

「さっきのあなたの話だけど…」

 

「26歳で会社を興し、39歳で上場を果たし、52歳で社長を息子に譲り会長になり…」

「26歳で仕事を辞めて自由に暮らし、39歳で一念発起し新規事業を興し、52歳で事業を売って引退して…」

「26歳で結婚をして、39歳で離婚をし、52歳で再婚して…」

 

なぜか、人生がすっぽりとこのパターンにはまっている方が多い。

 

メキシコの伝統芸能に「パパントラ・フライヤーズ」がある。

派手な衣装を身につけた5人の男たちが30mほどの大木にのぼるところから儀式(?)は始まる。

4人の男たちは頂上に結ばれたロープを大木に巻きつける。ちょうどコマに紐を巻きつける要領だ。

最後にロープの端を自らの足に縛り付けると儀式の準備は完了だ。

 

 

残ったひとりが大木のてっぺんにすっと立ち上がる。命綱はない。

男の笛と太鼓に合わせて4人は逆さ吊りの体勢のまま、回転しながら地上に降りてくる。

徐々にスピードは増し、遠心力で男たちの輪は大きく広がっていく。

そして、4人同時に13周目に着地する。(観光用には20周ほどすることもある)

 

 

 

冒頭の話に戻るが、この「4」と「13」という数をマヤではとても重要視していたようだ。

 

4人x13周で52。

52は1年の週の数だ。

52はマヤにとっての「還暦」である52年とも関係がある。

 

マヤの還暦がなぜ52年なのか…。

マヤでは十数種の暦を併用していたようだが、

なかでもメジャーな「365日周期の太陽暦」と「260日周期の神聖暦(ツォルキン)」の2種の暦は、

誕生日をスタートすると、それぞれが365日と260日を周期に、52歳の誕生日にふたたび2つの日付が合致(=スタート時の日付に戻る)する。

つまり52年を経て「暦が還ってくる=還暦」というわけだ。

 

「52歳」を人生の大きなひと区切りとして、それを4で割った「13年」は

ちょうど「起・承・転・結」のような人生の大きな節目にあたると言われている。

 

人はその年周りになると、自然に心がそわそわとしはじめて「次の自分」に向かって進むという。

大きく変化する人もいれば、その変化が小さい人もいる。

問題は変化の大小ではなく、そのタイミングに気付くことができるかどうか、

そしてその変化と真剣に向き合えるかどうか…。

 

かくいう私もこのパターンにぴったりとはまっていた。

(この話を聞いた時点では26歳と39歳はすでに過ぎていたが…)

 

さて、あなたはいかがだろうか?