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大文字・五山送り火

大文字

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新福菜館本店

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マエダダイナスティー

マエダダイナスティー 「マエダダイナスティー」。まずその椎名林檎チックな破壊力抜群のネーミングセンスに一票。烏丸通りの錦小路を少し東に入った場所、まさに京都のど真ん中な立地にも関わらず、ワンコイン(¥500)でランチが食える稀少な店。カウンターに並ぶボトルが物語るように、日が暮れると居酒屋として機能する同店。店内は古木、コンクリートブロック、金属といった素材を巧く組み合わせた、ナウでこじゃれた内装。厨房に目を向けると……ニットキャップ、バンダナ、Tシャツ、ネルシャツ、無精髭、チョーカー……活きのいいストリートなヤングたちがてんてこまいになりながら調理・ホールをこなす。それはまるであり得ない光景で、ノリ的には古着店の様相。が、決してやる気が無いわけではなく、一所懸命きりもりする姿はある意味微笑ましかったりする。で、¥500のランチであるが、味噌汁・ご飯がお替わり自由と、一見すると「めっちゃお得!」となるわけではあるが、実情はメインのおかずのボリュームが雀の涙ほどで、ハッキリ言って心許ないことこの上なし。例えば、唐揚げならばたった3個という体たらく。かよわい女子ならば納得の内容かもしれないが、食べ盛りの野郎にとってはご飯をお替わりしようにも、配分的にかなり無理が生じ、文字通り「噴飯もの」な内容である。じゃあ「マエダダイナスティー」は行く価値がない店なのかと言えば、実はそういうことでもない。狙い目は同価格で食える「パスタランチ」。パスタ一品に、サラダ、スープ、パンが付く。一般的に安いランチ、バイキングと言えば、先述のおかずを含め、作り置きの冷めたおかずである場合が多く見受けられるが、このパスタに関しては目の前で兄ちゃんが茹でたてのパスタをフライパンでガッツガッツと炒めてくれる。このパスタ、熱々なのはもちろんであるが、細めでコリコリとした歯ごたえで、わりとボリュームがあり、さすが居酒屋、なにより味付けが濃いのがいい。お替わり自由のパンを食うための「おかず」としての相性は抜群。さらにパンに関しては、お替わりをする度に、わざわざオーブンでパリっと温めてくれる気配りが心憎い。総じて、若輩者な店員ながら試行錯誤がんばってるやん、という印象の「マエダダイナスティー」。これで回転率が良くなって、ゆうに30分はかかる待ち時間がもう少し減ったなら、もっと活用するんやけどなあ……。

マエダ・ダイナスティ
★★★☆☆ 3.0

弘 「史上最強のロース」「天下無敵のヒレ」と、仰々しい呼称が目を引くメニュー。それぞれ¥1,260、¥1,890と、お値段のほうもこれまたすごい。千本通りと堀川通りの間にある「三条会」と言えば、いまいちパッとしない地域密着型の商店街。その千本通り側の入口付近に店を構える焼肉店「弘」。近接に親会社の「ミートショップヒロ」という精肉店があり、ここが市場から直接仕入れてきた国産牛肉を、焼き肉のメニューとして提供している仕組み。自らが精肉店として販売する肉を使って焼肉店を開くなど、肉に相当の自信がないとできないわけで、これが美味くないわけがない。言うなれば、本場香川の製麺所で食う讃岐うどんのようなもの。冒頭で触れた肉は、この店を代表する2トップで、言わずもがなの美味。さらに生レバが嫌いだった私に、単なる食わず嫌いであったと思わせてしまう程のクセのない「弘」の生レバには感動の一言である。焼肉と言えばことあるごとに「チファジャ」「萬蔵」などの「食べ放題」を愛好していた私。「安いわりにそこそこいけるやん!」の決めぜりふ。しかし、その「そこそこいけるやん」の妥協が、致命的な惰性に陥りかけていたところを「弘」の肉が救ってくれた。やっぱり美味いもんは美味い!人気は瞬く間に急上昇し、木屋町に支店を出すまでに至った「弘」、当然ながら予約をしないとまず入店できないほどの盛況ぶりである。なかなか頻繁にとはいかないが、肉を食いたくなったときにまず候補に挙がる店であり、「美味いもんを食わせてくれる」という意味で、信頼のおける店であることに間違いはない。

京の焼肉処 弘 千本三条本店 (キョウノヤキニクドコロ ヒロ)
★★★★★ 5.0

DOJI

DOJI 北山の「DOJI」は、私の知る限りではあるが、名実共に京都一のカフェと言えそう。他のカフェとは一線を画すというか、少し次元が違う。北山通りを車で走っていると、思わず目を見張る、バカでかい、エキゾチックな雰囲気を醸し出す木製の建物。その得体の知れない「なにか」は、外観からして、カフェというよりも、高級レストランやギャラリー、チャペルのような威風堂々たる存在感。丈のある大きな木製の扉をぐぐっと開けると、天井高のある空間に天窓から日光が燦々と降り注ぐ。壁、床、テーブル、椅子と、各々のパーツが豪快且つ堅牢で、建物としての安定感・壮大感があり、とって付けたような、その場限りの軽薄さは全く感じさせない。とにかく空間の使い方が巧く、ゆったりとしたひとときを過ごす「ハコ」としてのレベルは相当高い。店内は、燦々と太陽が照りつける青天井のテラス席を始め、天窓からの採光が気持ちいい入口付近の席、石造りの壁・天井が原始的な雰囲気を漂わせる北山通り寄りの席、逆サイドには天井が低く、ほんのりと灯りをともすランプが印象的なトーンの暗い席と、大きく分けて4つのゾーンが存在し、用途によって色々と使い分けのできる懐の深さが魅力的。メニューの値段が割高なのが目に付くが、この空間で過ごせる時間の長さからすれば、当然の価格設定、というか、店側の自信の現れと言えるかもしれない。北山の中心街からは少し西で、やや「はずれ」ではあるものの、それなりのキャパがある駐車場も備えているし、ことあるごとに活用できる、なんとも実用的な「ハコ」なのである。

カフェ ドジ (CAFE Doji)
★★★★ 4.0

親爺

親爺 私にとって、ラーメンの「原風景」とも言うべき味が「親爺」という店であることは間違いない。初めて食べたのは高校生の頃で、特にラーメンという食べ物について知見が無かった当時の私にとって、その奥深い醤油スープの味はなんとも衝撃的なのであった。わりと懐のある、スペーシーな中華料理店風の店内が印象的で、なんと言っても「親爺」だけに、元タクシー運転手という店主のおやじの個性が圧倒的。元々右京区民ということもあって、しばしば通っていた同店であるが、大学生になると共に左京区に引っ越し、それからは全く御縁がなかった。そんな中、久しぶりに近くを通る機会があって、ふと「親爺」のことを思い出し、立ち寄ってみる。引き戸をガラリと開けて入店すると、あの頃となんにも変わらない店内、おやじ。というか、自分だけが年をとっておっさんになってしまったのかという錯覚さえ覚えてしまう。実に10年ぶりの来店。ふと入口を振り返ると、あの頃仲の良かった友達が登場、なんてノスタルジックな妄想で頭がいっぱい。なんだかそわそわして落ち着かない。ラーメンが来るまでの間、そんな懐かし話をしていると、ラーメンを湯がくおやじの横顔に笑顔が……!?単なる見間違いかもしれないが、その時、私にはそう見えた。程なく、グラサンをかけた黒ずくめのクールないでたちの兄ちゃんが入店する。端から見れば、ある意味場違いな客。グラサンを取るや否やラーメンを注文、おもむろにラーメンをすすり、食い終わったら再びグラサンをかけて「ごちそうさま……」の一言を残して退店。そんな一部始終を見ていて、そうか、あの人も私のように久しぶりに「親爺」の味を確かめに来たんだな……なんてまたアホな妄想タイム。ぶっちゃけ、久しぶりに食べた「親爺」のラーメンは、あれからいろんな店のラーメンを食った私の舌にはオーソドックスな醤油味に感じられた。あの頃はあんなに衝撃的だったのに。ただ一つ悔いが残ること、それは、ニンニク入りを注文し忘れたってこと!食べ終わった後に、そう言えば当時は必ずニンニク入りを注文してたってことを思い出す。てなわけで、再度、ニンニク入りを食べに行かなければ、と思う今日この頃。今度はいったい何年後になるんやろうか。

ラーメン親爺 (らーめんおやじ)
★★★★ 3.5

万里小路

万里小路 エスニック料理好きには嬉しい、バイキング方式の稀少な店「万里小路」。「までのこうじ」と京都読みせず、素直に「まりこうじ」と読む。「府庁前」付近にある飲食店の並びにあるものの、ビルの2Fということで、予備知識がないとなかなか分かり辛い場所に立地。しかしながら、「ホットペッパー」に頻繁に登場したりと、京都の人にとっては、一般的に知名度はそこそこあるかもしれない。少しトーンダウンした暗めの店内には、20種のエスニック料理が常備。メインとなるカレーは4種類で、基本的にサラサラ系のカレーが多く、各種スパイスが絶妙に配合された本格派。が、トロトロのジャパニーズカレーに慣れ親しんだ体にとって、それだけで物足りないことは自明の理で、おかずの存在は必要不可欠。その他の総菜に目を向けると、「棒々鶏」、「シーザーサラダ」、「おかゆ」等々、野菜系がメインのヘルシーなラインナップではあるが、必ず肉系の料理が一品は用意されており、これが問答無用「おかず」となる。この肉系は炒め物であったり、手羽先であったりと、その日によって内容は異なり、ある意味当たり外れが大きい。総じて、良くも悪くも、細々と全メニューをかいつまんでいる内に、いつの間にか腹がふくれて「ごちそうさま」という顛末。一つ言えるのは、必ずレギュラーメニューとして登場する春雨、こいつはかなり美味い。ニンニク、唐辛子、ナンプラーで炒められた、シンプルな脇役的存在ながら、なかなか日本ではお目にかかれない風味、旨味で、ぶっちゃけこれだけでご飯を食えそうな勢い。ラストはココナッツミルクで〆るこのバイキング、気になるお値段は¥1,000。これを安いとみるか高いとみるか、もちろんそれは人それぞれ。ただ、少なくともお高い値段を支払って食う一発狙いのエスニック料理よりも、細々と潰しの効く「万里小路」のほうがローリスクであり、手堅い選択肢であると言える。

万里小路 (マリコウジ)
★★★★ 3.5

祗園祭(蟷螂山)

祗園祭(長刀鉾)