佐渡の食 俺の備忘録 寄せて盛る | 佐渡の食と佐渡の食文化

佐渡の食と佐渡の食文化

生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
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ひと時女性のインナーのCMに

寄せて盛る

みたいなワードがありました。

 

今年の佐渡は何やら暖かい。

 

昭和の頃は11月に入ると

霰が降る

そして沖合の海に雷ゴロゴロ

雪下ろしと父たちは言っていたなー。

 

初冬には雪がちらちら

川の流れもちょろちょろ

あれだけ泳いでいた鮎も

真っ黒になり集まって泳いでいたが

その姿もない。

山々の葉っぱは落ちて

青いのは篠竹と松だけ

赤い葉っぱ

黄色い葉っぱ

茶色い葉っぱ

くぼんだ所に

吹き溜まっている

昭和の頃の佐渡島。

そりゃーそうだ

暦も後二枚だー

そうすると大好きなお正月。

 

そんなもの

ものともせず

棒を持って

長靴履いて

枯れた芒の穂を

なぎ倒しながら

悪ガキは山を駆け巡る

そんな頃もあったなー。

 

”滅びゆくものの美しさ”

秋には万物が終息する

それを称して吹き寄せという

日本人の詫び寂の世界。

 

もともとは

お菓子の世界からでた名前

打ち菓子や有平糖を

葉っぱや木の実に見立て

色を染めて篭などに盛り

茶事の菓子に供した。

では料理の世界ではどうか

吹き寄せの料理は

春ならば貝寄せ

秋には吹き寄せとなる

基本は友禅五色

薄い黄

そして白

色数は七種か九種の奇数。

今では葉っぱなどをとり合わせ

焙烙の器に盛って

吹き寄せ見立て称しているが

素材でつくる場合は

色もさることながら

大きさを揃えることが

昔の決まりであったようだ。

 

新型コロナ禍による

巣ごもり需要というかべきか

家食が昨今の暮らし

お節料理の予約が

近年になく盛り上がっている。

 

イワクインネンコジライレキ

家が盛り

商売が盛り

皆健康に

長寿を祝い

新年を祝う

箸で食べやすいように

カタチを揃えて

しっかり寄せて

盛っている。

お節料理のひとつひとつ

謎解きしながら食す

そんな年の初めにしてみてください。