佐渡の食 俺の備忘録 鉄なべときんぴら | 佐渡の食と佐渡の食文化

佐渡の食と佐渡の食文化

生まれ育った佐渡の郷土の食や素材や料理法など綴っています。昭和の頃食べた伝統的な料理や素材にまつわる家族や村の話など交えて記憶に残る景色を綴っております。
株式会社創 代表取締役 東京都渋谷区代々木2-30-4 YCS2階
https://www.tsukuru-web.com

相模の国足柄山で山姥に育てられた

強き男の子。

 

熊と相撲をとって勝ってしまう怪童と言えば

鉞担いだ坂田金時。

誰それ?そう金太郎である。

 

後に源氏の総帥の源頼光の四天王として

武勇を象徴する存在として五月人形にも

なっている人物。

 

その子供が坂田金平(きんぴら)であることは

余り知られてないが料理としてのきんぴらは

良く知られた名前。

 

江戸時代に興った三味線と語りで人形を扱う

娯楽が浄瑠璃と呼ばれ

そこに登場する油テカテカ頭をした屈強な男

がこの坂田金平でそのテカテカの油と

屈強な象徴の牛蒡の料理がきんぴらと

なったのであろう。

きんぴらごぼうの切り方は関東は細切り

関西は笹掻きと言われるが

関西食文化が色濃く残る佐渡島の我が家は

意に反して細切りであったように記憶している。

細いと言っても拍子切りにしたごぼうと人参

古い鉄の鍋を火にかけ油を垂らし

拍子切りのごぼうを先に炒め

人参を加えて軽く煙が出るくらいの火加減で

炒めるそこに南蛮を砕いて少量いれる

砂糖、相川醤油、燗冷まし、味醂を入れ

仕上げに胡麻油を振りかけ

汁気がわずかに残る程度に炒り煮にする

テカテカの強そうなきんぴらごぼうの完成。

胡麻油の香りがごぼうと人参を包み込み

炊き立てのご飯の上にたっぷり乗せる

旨い旨い。

 

歯ごたえのあるごぼうが旨い。