馬の耳に念仏・ロバの耳に通訳 | キリギリスのつぶやき

キリギリスのつぶやき

キリギリス体質な社内通訳者の悪戦苦闘な日々のつぶやき・・・  
   

最近の自分のホットトピックとして、ガーーーーン治療のことばかり書いていたキリギリスですが、本日は通訳ネタです。

 

 

 

全国津々浦々のみなさま、パナガイドというものをご存知でしょうか?

 

⬇︎コレ

 

とりあえずは、こんなようなものです。これ、通訳用の無線の受信機です。

 

通常のビジネスシーンの通訳で、無線機を使用するとなると、こちらのパナガイド無線機しか、ほぼチョイスはありません。名前で分かる通り、パナソニックが作ってるから、パナガイドっていう単純でセンスの欠片もないとっても分かり易いネーミングのコイツが、市場を独占しているわけです。

 

市場独占といえば、MONOPOLY(モノポリー)ってことですね。ボードゲームにも同名のがありますが、あれもボード上の全てのコマを「独占」していこうとする市場ゲームです。

 

このパナガイドですが、キリギリスが通訳を始めた頃、え〜〜〜と、かれこれ・・・20年くらい前から、ほぼ形状も仕様も変わっていない気がするのは、気のせいではないはずだ!!

 

とか大文字で叫んでも、あまり共感が得られる話題ではないことは承知しています。

 

この機材ってばパナソニックが市場を独占しているので、自ずと市場原理が働かず、結局はパナソニックの胸先三寸に進化をお任せする・・・みたいな、ガラパゴス島の亀みたいな感じなわけですね(いや、どうもちょっと違う気もする・・・)

 

そこに革新はありえん!しかも高っっっ!!受信機一台がアマゾンで取り寄せても4万円近いっていうのは、けっこうな暴利お値段です。20年近くも大した進化していないくせに!!(⇦暴言)

 

 

日本には無線法というものがありますので、やたらめったらに無線で会話したりすることは禁止されているわけです。これはまぁ、警察やら救急やらの無線と干渉されても困るとか、犯罪に使用される可能性もあるからとか、いろいろ理由が考えられるわけです。そういう法規的な面も満たした、音声がクリアな(話が聴きやすい)無線機材というと、パナガイド一辺倒ってことになっちゃうわけです。

 

ま、さておき。このむかーーしながらの無線システムを使い、通訳は必死にパナガイドの送信機から無線で通訳を送信し続けるわけです。

 

☝︎コレね。受信機とは単純に色が違うだけで見た目は一緒です。これに、マイクをつけて話すと、上の受信機から聞こえるっていう、単純な話です。

 

 

でも言いたいのは、パナガイドが進化しない機材だってことでも、使い辛いぜ、こんちくしょーってことでも、果てはお値段が高すぎんじゃね?!ってことでもなくてですね。

 

 

いくらクライアントだって言ったってさぁぁ、そっちの重役の一人が通訳必要だって言うから、こっちは1時間近くも一人で必死に通訳しているってーのに、その当人が会議の最初から最後までパナガイドのイヤホンを耳に装着しないってのはどういう了見だい!ってやんでぃ!!ムカムカムカムカムカムカ読唇術でもできんのか!?わりゃー

 

 

誰も聞いてないのに、延々とマイクに向かってヒソヒソ通訳するってのは虚しいんだYO!!!(YOYOYO, check it out♪⇦愚痴りラッパー)

 

 

 

世間の大多数の方々は、通訳など一生聞くこともないでしょう。

また、圧倒的大多数の方々は、英語が喋れれば、誰でも通訳ができると思っているんですよ。

 

 

 

大きな間違いだ!ってやんでぃ。

 

 

ただ日本語で聞いたことを英語にして、英語で聞いたことを日本語にすりゃいいだけじゃ〜〜ん

ってね、みんな簡単に考えているんですよ。

 

でもね。そう思う方は、今日にでも試しにテレビのニュースを小一時間ほど聴きながら、そのまま同じことを繰り返して、正確に全部をリピートして言ってみてくださいよ。どんどん追いつけなくなったり、つっかえたりするから!

 

 

母国語の日本語で聞いて、それをそのまま日本語で同じにリピートして喋るってだけだって、聴きながらしゃべることは困難なことが、お分かりいただけるはずです。

 

その間にね、翻訳作業が挟まるわけですから、いろいろ大変なんだよ!!ムカムカ

 

そしてそして、その大変な作業もね。ぶっつけ本番ではうまくいきません。通訳する予定の会議に出てくる議題に関連した単語をね、日本語でも英語でも良くわかっていないと、ついて行かれなくなるからです。

 

 

例えば、またテレビのニュースの例ですがね。例えばTPPのニュースだったとします。

TPPとはTrans-Pacific Partnershipの略で、日本語では環太平洋戦略的経済連携協定。

 

英語側が、Trans-Pacific Partnershipと言ったら、TPPのことだなって思っても、まずはTPPという略語を知らない人のためにも、「環太平洋戦略的経済連携協定」と言う必要があるわけです。

 

ここで、TPPの日本語訳を知らなかったらアウトです。

 

これはニュース的な一例ですが、ビジネスのシーンでも同じことが言えます。英語側が話すであろう内容の中に、日本語訳を知らない単語があったら同時通訳は非常に難しい。日本語から英語の場合も当然同じです。

 

 

 

だからね。1時間の会議をするために、想定される単語やフレーズを全て洗い出して、英語と日本語の両方を覚えて、一瞬で出るように何度も練習する・・・

 

 

って、手間をかけているわけなんですよ。通訳は!ムカムカムカムカムカムカ

 

 

それなのに、聴いてくれないなんて(涙)ガクリ 

 

武道館貸し切ってバンドにライブさせておいて、誰も聴かないってのと同じだぜ!!失礼にもほどがある。(⇦あ、しかし、まぁ、武道館ライブするアーティストほどのパフォーマンスもしないけどさー)

 

 

百歩譲って、聞かないにしたってさぁ。手元にスイッチあるわけなんだから、イヤホンは装着して、スイッチ切るって手だってあるわけでしょ。

 

こっちは、依頼されたからには黙っているわけにはいかない。

通訳し続けるしか無いのだから、依頼した側は聞くフリをするくらいは礼儀なんじゃないのか?どうなのだ?!

 

 

まったくもって失礼千万!!!ムカムカムカムカ

 

 

ま、クライアントさまだ〜〜〜か〜〜〜〜ら〜〜〜〜、何も言えないけど。

 

どうせ誰も聞いてないから、訳出のふりして、パナガイド通して「このイXポ野郎!寝ぼけてんじゃねぇ!!」とか言ってやりたかった今日の午後であります。(まぁ、お下品な・・・)

 

 

王様の耳はロバの耳〜〜〜!!!

ここでしか発散できないこのやるせなさよ。

 

 

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