アンコール遺跡2・アンコール・トム | キリギリスのつぶやき

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キリギリス体質な社内通訳者の悪戦苦闘な日々のつぶやき・・・  
   

5月の9,10,11日、カンボジアのアンコール遺跡に行ってきました。
(→1日目はこちら参照)

そして、2日目は朝からアンコール遺跡観光。せっかく行くのに、私ったら全く下調べも勉強もせずに行ってしまい、自分の無知さ加減に呆れつつ・・・ 日本語の上手な素晴らしいガイドさんに、色々教えていただきました!

アンコール遺跡と言っても色々あり、最初に見たのはアンコール・トムという遺跡。アンコールとは「街」という意味のクメール語で、トムは「大きな」という意味。12世紀の終わり頃にジャヤーヴァルマン7世という大王が仏教寺院を中心に建て、城壁に囲まれた大きな街だったらしい。一番有名なのは、大きな仏の顔が塔や門に掘り込まれた中心の寺院であります。↓

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アンコール・トムへ入る東西南北にある門の1つ、南大門。遺跡との初対面がこれでした。目に飛び込んで来た時には、衝撃的でした。その巨大さ、その造詣、ものスゴイ迫力です。

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写真やTV映像なのでも、良く観る部分。実際に目の当たりにすると、ただただ昔の文明の技術力・忍耐力・信仰心に打たれるのみです。悠久の時を経て、傷みつつもその姿が現在まで保存され、最近やっと修復・保護される方向に向かっているのは喜ばしいことです。

ちなみに、一番右の顔が「京 唄子さん」に似ている・・・と言うと、年配の観光客に大うけするそうです(ガイド談)


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そうは言っても、傷みも酷く、現在もいたるところで修復中。廃墟と化し、ジャングルに埋もれているのを、19世紀に再発見されるも、既に瓦解は進み、その後は盗掘に晒され、かなりの財宝や貴重な造詣が破壊・盗難に会ったそうです。

キリギリスのつぶやき-トム8
ほんの最近の1980年まで続いた内戦によっても多くの遺跡が失われ、今も生々しい傷が残ります。写真の穴↑は弾丸跡。

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見事なアルカイック・スマイルを浮かべています。観光客はお約束の様に前で写真を撮ってもらうことになっていて、実は私も撮りました。この巨大な仏の顔面像、石を積み上げてから彫ったのではありません。彫刻を施した巨大石を積み上げて製作されているんです。ものスゴイことでしょ?これって。

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寺院を抜けて、振り返りつつ・・・とにかく暑い!!!そして、観光客は圧倒的に日本人と韓国人が多い様子。GW直後だったので、日本人はシニア世代ばかりでした。ちょうどGW後の空いている時で、こんな感じです。夏休みとかGWのハイシーズンだと、観光客が入っていない写真を撮るのは難しいらしい。今回はラッキーでした。

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アンコール・トムの一部、王様のみが立つ事を許された、Elephant Stage「象の舞台」という場所。この総石造りの舞台はとにかく、長い!

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舞台の側面には見事な象の彫刻。舞台に立つと、正面に勝利の門と言われる東側の門を望めます。ここに帝王が立ち、戦に出る前の軍に謁見し、勝利祈願をし、さらに勝利した軍はこの門から都に入り、舞台上の王から祝福を受けたのだとか。負けた場合には、北の死者の門から帰還したんですって。この巨大舞台に王が立ち、前面の原っぱを軍が埋め尽くす様を想像してみて下さい。・・・ロマンじゃ。

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ひとしきり王様ごっこを堪能したら、舞台を降りて、舞台側面の象さん達にご対面。象の像・・・オヤジギャグですか?はい。

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解り辛いですが、大きな壁面に見事な彫刻群・・・こういう細かい彫刻も、石を彫ってから重ねられているのです。FRPじゃありません(笑)しかも、モルタルやセメントの無い時代、全てのブロックは重ねただけ!それでも崩れないというのは、素晴らしい技術力です!石を切りだし、均一なブロックを造り、彫刻を施し、積み上げる・・・全て人力での偉業。しかも彫刻はブロックの境を越しても完璧な継続性があり、絵が見事に繋がっている。造詣済みの石が少しでも破損したら、作り直しですよ、一から。気の遠くなる様な作業です。クリックして大きくして彫刻を見てね。

とにかく、もう、素晴らしい!の一言、感動のアンコール・トム体験でした。しかし、まだアンコール遺跡の旅は奥がふかーいのでありまする。

次回は別の遺跡体験記へ続く・・・